2月13日

旧約 ヨブ記12章

[ 12 ]

12:1 ヨブは答えた。 12:2 確かにあなたたちもひとかどの民。だが、死ねばあなたたちの知恵も死ぬ。 12:3 あなたたち同様、わたしにも心があり/あなたたちに劣ってはいない。だれにもそのくらいの力はある。 12:4 神に呼びかけて/答えていただいたこともある者が/友人たちの物笑いの種になるのか。神に従う無垢な人間が/物笑いの種になるのか。 12:5 人の不幸を笑い、よろめく足を嘲ってよいと/安穏に暮らす者は思い込んでいるのだ。 12:6 略奪者の天幕は栄え/神を怒らせる者/神さえ支配しようとする者は安泰だ。 12:7 獣に尋ねるがよい、教えてくれるだろう。空の鳥もあなたに告げるだろう。 12:8 大地に問いかけてみよ、教えてくれるだろう。海の魚もあなたに語るだろう。 12:9 彼らはみな知っている。主の御手がすべてを造られたことを。 12:10 すべての命あるものは、肉なる人の霊も/御手の内にあることを。 12:11 耳は言葉を聞き分け/口は食べ物を味わうではないか。 12:12 知恵は老いた者と共にあり/分別は長く生きた者と共にあるというが 12:13 神と共に知恵と力はあり/神と共に思慮分別もある。 12:14 神が破壊したものは建て直されることなく/閉じ込められた人は解放されることがない。 12:15 神が水を止めれば干ばつとなり/水を放てば地の姿は変わる。 12:16 力も策も神と共にあり/迷うこと、迷わせることも神による。 12:17 神は参議をはだしで行かせ/裁判官を狂いまわらせ 12:18 王の権威を解き/腰の帯をもって彼らをつながれる。 12:19 祭司をはだしで行かせ/地位ある者をその地位から引き降ろされる。 12:20 信任厚い者の口を閉ざし/長老の判断を失わせ 12:21 自由な者に嘲りを浴びせかけ/強い者の帯を断ち切られる。 12:22 神は暗黒の深い底をあらわにし/死の闇を光に引き出される。 12:23 国々を興し、また滅ぼし/国々を広げ、また限られる。 12:24 この地の民の頭たちを混乱に陥れ/道もなく茫漠としたさかいをさまよわせられる。 12:25 光もなく、彼らは闇に手探りし/酔いしれたかのように、さまよう。

新約 使徒言行録19:21-40

◆エフェソでの騒動

19:21 このようなことがあった後、パウロは、マケドニア州とアカイア州を通りエルサレムに行こうと決心し、「わたしはそこへ行った後、ローマも見なくてはならない」と言った。 19:22 そして、自分に仕えている者の中から、テモテとエラストの二人をマケドニア州に送り出し、彼自身はしばらくアジア州にとどまっていた。 19:23 そのころ、この道のことでただならぬ騒動が起こった。 19:24 そのいきさつは次のとおりである。デメトリオという銀細工師が、アルテミスの神殿の模型を銀で造り、職人たちにかなり利益を得させていた。 19:25 彼は、この職人たちや同じような仕事をしている者たちを集めて言った。「諸君、御承知のように、この仕事のお陰で、我々はもうけているのだが、 19:26 諸君が見聞きしているとおり、あのパウロは『手で造ったものなどは神ではない』と言って、エフェソばかりでなくアジア州のほとんど全地域で、多くの人を説き伏せ、たぶらかしている。 19:27 これでは、我々の仕事の評判が悪くなってしまうおそれがあるばかりでなく、偉大な女神アルテミスの神殿もないがしろにされ、アジア州全体、全世界があがめるこの女神の御威光さえも失われてしまうだろう。」 19:28 これを聞いた人々はひどく腹を立て、「エフェソ人のアルテミスは偉い方」と叫びだした。 19:29 そして、町中が混乱してしまった。彼らは、パウロの同行者であるマケドニア人ガイオとアリスタルコを捕らえ、一団となって野外劇場になだれ込んだ。 19:30 パウロは群衆の中へ入っていこうとしたが、弟子たちはそうさせなかった。 19:31 他方、パウロの友人でアジア州の祭儀をつかさどる高官たちも、パウロに使いをやって、劇場に入らないようにと頼んだ。 19:32 さて、群衆はあれやこれやとわめき立てた。集会は混乱するだけで、大多数の者は何のために集まったのかさえ分からなかった。 19:33 そのとき、ユダヤ人が前へ押し出したアレクサンドロという男に、群衆の中のある者たちが話すように促したので、彼は手で制し、群衆に向かって弁明しようとした。 19:34 しかし、彼がユダヤ人であると知った群衆は一斉に、「エフェソ人のアルテミスは偉い方」と二時間ほども叫び続けた。 19:35 そこで、町の書記官が群衆をなだめて言った。「エフェソの諸君、エフェソの町が、偉大なアルテミスの神殿と天から降って来た御神体との守り役であることを、知らない者はないのだ。 19:36 これを否定することはできないのだから、静かにしなさい。決して無謀なことをしてはならない。 19:37 諸君がここへ連れて来た者たちは、神殿を荒らしたのでも、我々の女神を冒涜したのでもない。 19:38 デメトリオと仲間の職人が、だれかを訴え出たいのなら、決められた日に法廷は開かれるし、地方総督もいることだから、相手を訴え出なさい。 19:39 それ以外のことで更に要求があるなら、正式な会議で解決してもらうべきである。 19:40 本日のこの事態に関して、我々は暴動の罪に問われるおそれがある。この無秩序な集会のことで、何一つ弁解する理由はないからだ。」こう言って、書記官は集会を解散させた。

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