2月16日

旧約 ヨブ記15章

[ 15 ] ◆ヨブと三人の友の議論二

15:1 テマン人エリファズは答えた。 15:2 知恵ある者が空虚な意見を述べたり/その腹を東風で満たしたりするであろうか。 15:3 無益な言葉をもって論じたり/役に立たない論議を重ねたりするであろうか。 15:4 あなたは神を畏れ敬うことを捨て/嘆き訴えることをやめた。 15:5 あなたの口は罪に導かれて語り/舌はこざかしい論法を選ぶ。 15:6 あなたを罪に定めるのはわたしではなく/あなた自身の口だ。あなたの唇があなたに不利な答えをするのだ。 15:7 あなたは最初の人間として生まれたのか。山より先に生まれたのか。 15:8 神の奥義を聞き/知恵を自分のものとしたのか。 15:9 あなたの知っていることで/わたしたちの知らないことがあろうか。わたしたちには及びもつかないことを/あなたが悟れるというのか。 15:10 わたしたちの中には白髪の老人もあり/あなたの父より年上の者もある。 15:11 神の慰めなどは取るに足らない/優しい言葉は役に立たない、というのか。 15:12 なぜ、あなたは取り乱すのか。なぜ、あなたの目つきはいらだっているのか。 15:13 神に向かって憤りを返し/そんな言葉を口に出すとは何事か。 15:14 どうして、人が清くありえよう。どうして、女から生まれた者が/正しくありえよう。 15:15 神は聖なる人々をも信頼なさらず/天すら、神の目には清くない。 15:16 まして人間は、水を飲むように不正を飲む者/憎むべき汚れた者なのだ。 15:17 あなたに語ろう、聞きなさい。わたしに示されたことを告げよう。 15:18 それは賢者たちの示したところ/それを彼らの父祖も隠さなかった。 15:19 これらの父祖にのみ、この地は与えられており/異国の者が侵すことはなかった。 15:20 さて、悪人の一生は不安に満ち/暴虐な者の生きる年数も限られている。 15:21 その耳には恐ろしい騒音が響く。平安のさなかに略奪者が彼を襲うのだ。 15:22 暗黒を逃れうるとはもう信じられない。彼の前には剣が待つのみだ。 15:23 彼はパンを求めてどことも知らずにさまよい/暗黒の訪れる時が間近いことを知る。 15:24 苦しみと悩みが彼を脅かし/戦いを挑む王のように攻めかかる。 15:25 彼は神に手向かい/全能者に対して傲慢にふるまい 15:26 厚い盾をかざして/頑に神に向かって突進した。 15:27 顔は脂ぎって/腰にはぜい肉がついていたが 15:28 滅ぼされた町、無人となった家/瓦礫となる運命にある所に/彼は住まねばならないであろう。 15:29 再び富むことなく、力も永らえず/その家畜は地に広がらない。 15:30 彼は暗黒から逃れられない。熱風がその若枝を枯らし/神の口の息が吹き払う。 15:31 惑わされてむなしいものを信じるな。その報いはむなしい。 15:32 時が来る前に枯れ/枝はその緑を失う。 15:33 未熟な実を荒らされるぶどうの木/花を落とすオリーブの木のようになる。 15:34 神を無視する者の一族に子は生まれず/賄賂を好む者の天幕は火に焼き尽くされる。 15:35 彼は苦しみをはらみ、災いを生む。その腹は欺きをはぐくむ。

新約 使徒言行録21:1-16

[ 21 ] ◆パウロ、エルサレムへ行く

21:1 わたしたちは人々に別れを告げて船出し、コス島に直航した。翌日ロドス島に着き、そこからパタラに渡り、 21:2 フェニキアに行く船を見つけたので、それに乗って出発した。 21:3 やがてキプロス島が見えてきたが、それを左にして通り過ぎ、シリア州に向かって船旅を続けてティルスの港に着いた。ここで船は、荷物を陸揚げすることになっていたのである。 21:4 わたしたちは弟子たちを探し出して、そこに七日間泊まった。彼らは“霊”に動かされ、エルサレムへ行かないようにと、パウロに繰り返して言った。 21:5 しかし、滞在期間が過ぎたとき、わたしたちはそこを去って旅を続けることにした。彼らは皆、妻や子供を連れて、町外れまで見送りに来てくれた。そして、共に浜辺にひざまずいて祈り、 21:6 互いに別れの挨拶を交わし、わたしたちは船に乗り込み、彼らは自分の家に戻って行った。 21:7 わたしたちは、ティルスから航海を続けてプトレマイスに着き、兄弟たちに挨拶して、彼らのところで一日を過ごした。 21:8 翌日そこをたってカイサリアに赴き、例の七人の一人である福音宣教者フィリポの家に行き、そこに泊まった。 21:9 この人には預言をする四人の未婚の娘がいた。 21:10 幾日か滞在していたとき、ユダヤからアガボという預言する者が下って来た。 21:11 そして、わたしたちのところに来て、パウロの帯を取り、それで自分の手足を縛って言った。「聖霊がこうお告げになっている。『エルサレムでユダヤ人は、この帯の持ち主をこのように縛って異邦人の手に引き渡す。』」 21:12 わたしたちはこれを聞き、土地の人と一緒になって、エルサレムへは上らないようにと、パウロにしきりに頼んだ。 21:13 そのとき、パウロは答えた。「泣いたり、わたしの心をくじいたり、いったいこれはどういうことですか。主イエスの名のためならば、エルサレムで縛られることばかりか死ぬことさえも、わたしは覚悟しているのです。」 21:14 パウロがわたしたちの勧めを聞き入れようとしないので、わたしたちは、「主の御心が行われますように」と言って、口をつぐんだ。 21:15 数日たって、わたしたちは旅の準備をしてエルサレムに上った。 21:16 カイサリアの弟子たちも数人同行して、わたしたちがムナソンという人の家に泊まれるように案内してくれた。ムナソンは、キプロス島の出身で、ずっと以前から弟子であった。

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