「わたしの小羊を飼いなさい」

A. また大阪にいらしてください

 「また、大阪の教会でメッセージをしてください」と、2年前、牛込キリスト教会の佐藤順先生を礼拝に招かれたS氏が言われました。
 アメリカ人宣教師の多くが、聖書には一字一句誤りが無い、と主張しており、旧約聖書に古代イスラエルが戦争をしたという記事があるため、戦争を反対せずにいます。佐藤陽二牧師が主張されるように、イエス様の言葉に照らし合わせて旧約聖書を解釈しなければ(正典的聖書解釈)、正しく福音を語ることはできません。以前、牛込キリスト教会に通われていたS氏はそのことを理解しておられるのです。
 いつの時代も、誰かが正しく福音を宣べ伝え、魂の救いの配慮をしなければなりません。イエス様はペトロに三度「わたしを愛しているか」と尋ね、小羊の世話をするように言われました。

B.聖書より

 三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。ヨハネによる福音書21章17節
 「愛」には、男女間の愛(ギリシャ語のエロース)と、親子、兄弟、友人間の、愛し合うことで利益を受け合う愛(フィリア)、そして、神さまの人間に対する相手から利益を求めない無償の愛、不変の愛、犠牲愛(アガペー)があります。
 イエス様はペトロに2度、「アガペーの愛でわたしを愛するか」と聞かれましたが、アガペーではなく、フィリアでしかイエス様を愛せないと答えました。イエス様は、3度目には「フィリアでしか愛せないのか」と尋ねられたので、ペトロは「アガペーの愛と言いたくても言えないことも、あなたはご存知です」と答えたのです。かつて三度もイエス様の弟子であることを否定したペトロに、「わたしの羊を飼いなさい。」と三度愛を肯定する機会を与えられました。羊の世話とは、信仰から離れないよう信者を励まし、貧困にあえぐ人々の暮らしを支え、逆境にある人に希望を与え、道に迷う人に正しい道を示す聖書のメッセージを語ることです。

C. 在留特別許可

 「東京入国管理事務所から呼び出された時は、その場で収監されミャンマーに強制退去させられると思い、身も心も縮む思いでした。必死に祈って入管での面接に臨みました」と、ミャンマー人の伝道者Eさんは言いました。Eさんは、ミャンマーの軍事独裁政権と仏教徒グループの迫害が強まる中、三ヶ月の観光ビザで日本に入国したまま、帰国せずに15年も不法滞在をしていたのです。
 Eさんは、ミャンマーで交通事故に遭ったとき、日本人のH牧師によって助けられました。Eさんはその後、急逝(きゅうせい)したH牧師への恩返しとして日本伝道を志し、新宿の公園でホームレスへの「炊き出し礼拝」を毎週続けてきました。毎週250人のホームレスのために炊き出しをしながらメッセージを語るのです。費用は、ほとんどが先に来日していたEさんの妹たちが働いて得たわずかな収入で賄われていました。
 しかし来日10年目、Eさんは、「入管法違反の不法滞在者として逮捕する!」と、拘置所に収監されます。強制退去になりミャンマーに帰れば、どんな迫害が待っているかわかりません。そのときは、周りの人たちが必死に動いて弁護士に依頼し、四カ月半で、釈放されました。それから裁判を提起しても許可がおりません。5年後再び、入管からの呼び出しがあり、Eさんは恐る恐る係官の前に立つと、「あなたに一年間の在留特別許可が出ました。一年後に再申請すれば、三年の更新が可能です。更新期間が過ぎた後は、永住許可もしくは日本国籍取得の申請を提出することもできます」と言われます。「難民としては認められませんが、あなたは長年にわたり日本のためにとても良い働きをしてくれたからです」ということでました。
 Eさんの日本滞在は違法でしたが、そんな不完全な者であっても、誠実に神さまと人とを愛するために行動してきたEさんを通して、神さまはご栄光を表わされました。完璧な愛を持ちたくても持てない、というペトロを神さまは用いられたように、不完全な者であってもイエス様の羊の世話をする者を、神さまは用い、祝されるのです。

D.結び

 わたしたちは救われるために善行をする必要はありません。「善い業」はイエス様が成し遂げられたので、完璧である必要はないのです。しかし救いを体験し、自発的に人生を神さまにお献げしたいと思うならば、イエス様は人の心と体と魂の救いの業に携わる特権を与えてくださいます。
御翼2009年1月号その4より


  
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