「神を信頼し人に懸ける」

A. この行事に命を懸けています

 「わたしはこの行事(学芸発表会)に命を懸けています。何故かというと、あなたたちのすごい姿を見られるからです。」と、中学校のF先生は語りました。学芸発表の日は、音楽教師をしていてよかったな、と思える一日になるのだといいます。生徒たちも、先生が優しく励ましたり、時には厳しく叱るのは、自分たちを信頼してくれているのだと感じ取り、その信頼に応えました。人が良い人になれるのは、親や学校の先生など、期待し、信頼してくれる人がいるからなのです。
 回心したサウロは、クリスチャンたちから信用されていなかったとき、バルナバがサウロの回心は本当であると、手を差し伸べました。

B.聖書より

 しかしバルナバは、サウロを連れて使徒たちのところへ案内し、サウロが旅の途中で主に出会い、主に語りかけられ、ダマスコでイエスの名によって大胆に宣教した次第を説明した。 使徒言行録9章27節
 サウロは、イエス様を迫害していたのに、回心してイエス様を信じるようになりました。エルサレムで、弟子たちの仲間に加わろうとしましたが、弟子たちはサウロを、ほんとうにイエス様の弟子になったとは信じてくれません。ところが、バルナバだけは、サウロが本物のクリスチャンであると信じて、がっかりしているサウロに手を差し伸べました。バルナバは神さまを信頼した上で、人間性のもつ可能性に懸けたのです。キリスト教の歴史は、悪い過去を持つ人々に対し、期待をかけたイエス様の物語です。イエス様が地上に降りてこられ、一人ひとりに愛情をもって接し、新しい人間へと造りかえられるのです。

C. バルナバのような人物が必要

 ニューヨークのスラム街に生まれ育ったビル・ドゥーナーは、信仰を持つ母親に育てられましたが、彼は飲酒を覚え、9才にして発酵リンゴ酒を売っていました。12才にはアル中となり、10代でマフィアのもとで様々な非合法活動に加わり、21才のときには警察に追われ、銃弾を身に受けたこともありました。そして23才でホームレスとなり、ある晩、飛び降り自殺を決心します。
 真夜中、彼は最後に散歩に出掛けようと、暗い夜道を横切ると、街灯の下に一人の男が立っているのが見えました。黒い服を着た見知らぬ男性の襟には白いつめ入りが見えます。この神父は、ビルを見つけるとそっと微笑みました。それだけです。ところが、これだけでビルは心に何か神聖なものを感じました。神さまのご臨在を知ったのでした。彼の魂に神さまの平安が訪れ、彼の心が変わりました。彼は人生で初めて、自分を信頼してくれる神さまの存在を得たのでした。それ以来、飲みたい、という衝動は永久に消滅し、突如として、心深いところで神さまへの信仰が生まれました。
 34年後、彼は米国クリスチャン・ビジネスマン・オブ・ザ・イヤーを受賞、結婚もして、30年間、離婚することなく、最初の妻と共に暮らしています。彼のあらゆる夢は実現したのです。億万長者となり、これまでに、三人の米国大統領が、ビルを官庁における高い地位に指名しています。そして、彼は、自分が30年前に神を見出した同じ場所に、ホームレスを助けるために、6億円の寄付をし、更に250ものベッドがある施設を造りました。その施設は、30年前、街灯の下に黒いスーツを着て立っていたマックデルモット神父の名をとり、マックデルモット・センターと名付けられ、この神父が運営を任せられています。
 ドゥーナーは、「自分は、神からみて価値のある人間だなどとは考えもしなかった。自分のセルフ・イメージはぞっとするほどひどいものだった。それが、神が手を差し伸べて下さり、私の心に触れて下さってから、全てが変わった」と証言しています。

D.結び

 人は神さまに信頼され、愛されていると感じたとき、その内面に変化が起こります。そして私たちクリスチャンは、神さまの愛を代表するためにこの世に存在します。神さまの御手が働くことを信じながら、人に懸ける人となりましょう。この世は、そのような人物をいつも必要としています。
御翼2009年12月号その1より


  
世界で活躍したクリスチャン HOME