「祈りのひな型―呼び掛け、感謝、願い」

A. 91歳の英会話教師

 鹿児島市春山町に住む91歳の現役英会話教師がTV番組で紹介されていました。本田初音さんは13歳まで父親の仕事でロサンゼルスで育ち、帰国後、英語講師を経て市観光課に勤めていました。7年前に夫が亡くなり、落ち込む初音さんに長男夫婦が英会話の指導を勧めたので、初音さんは5年前から自宅で「おばあちゃんの英会話サロン」を開くことにしました。お茶を飲みながら英語や鹿児島弁を交えて日々の出来事を語り合うのです。映像では、初音さんの枕元には英語の聖書があり、英語の讃美歌を歌っていました。初音さんは、英語教育を通して人々がキリストの福音に触れることを願っておられるようでした。
 釈放されたペトロとヨハネを迎えた仲間は、神さまに感謝し、これからも福音を語れることを祈り願いました。

B.聖書より

主よ、今こそ彼らの脅しに目を留め、あなたの僕たちが、思い切って大胆に御言葉を語ることができるようにしてください。使徒言行録4章29節
 ペトロとヨハネが釈放されたことを仲間たちは喜び、神さまに感謝の祈りを捧げました。彼らの祈りの結びは願いです。神さまに対する呼び掛けで始まり、詩篇の御言葉通りであったことを感謝し、そして願いで終わっています。これは、祈りの、雛型(ひながた)(手本)です。その願いの第一は、大胆に神さまの御言葉を語ることができるように、ということでした。自分たちの問題の解決よりも、神さまの御業をなすことを優先させたので、力がそそがれたのです。

C. 聖書を愛読していたヨハネス・ブラームス(1833〜1897)

 「世の人々は、我々北ドイツ人が日々聖書を切望し、聖書なしでは一日も終えられないということさえ知らない」と友人に言ったのは、ピアニストで指揮者でもあったロマン派の作曲家、ヨハネス・ブラームスです。ブラームスが聖書の大変な愛読者であったことは、多くの伝記に書いれているし、彼の最良の作品の多くにも、聖書が引用されています。
 神さまを畏れる両親に育てられたブラームスは、「霊感による真の着想はすべて神から来る。モーツァルトやシューベルト、バッハ、ベートーヴェンのような真の大作曲家すべてが霊感を受けたあの力は、イエスに奇跡を行わせた、あの同じ力なのだ」と語っています。また、「私は無神論者の若い作曲家を何人か知っている。・・・『ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができない』。無神論者がこれまで大作曲家になったためしはないし、これからもないだろう。・・・『求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる』〔マタイ7:7〕こうした偉大な教えがもっと良く理解されていれば、実りない作曲の試みで、これほど多くの良質な五線紙が無駄になることもなかったろう」と言います。
 彼は多くの教派にクリスチャンの友人がいましたが、皆個人の信仰に従って生きるよう励ましを与えました。ブラームスは生前から富と名声を得ていましたが、うぬぼれとは無縁で、古い上着を手放さず、謙虚で質素を好みました。いつも貧しい人々にお金を分け与え、多くの友人や関係者を支え、聖書による原則「互いに相手を優れた者と思いなさい」(ローマ12:10)を理解している人でした。神さまがそのような人を用いられ、死後一世紀を経た現在でも、世界中の人々に音楽による幸せがもたらされています。
 ブラームスは、音楽を通して御言葉を語り、名曲を作るという偉大な業がなせるよう「お手本の祈り」に生きた作曲家でした。

D.結び

 神さまに対する呼び掛けで始まり、御言葉通りであったことを感謝し、願いで終わるのが、祈りの手本です。その願いは、御言葉を語ることと、力ある業をなすことであるべきなのです。
御翼2009年6月号その3より
  

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