「愛あるところに、貧しい人はいない」

A.映画「グラン・トリノ」

 

 クリント・イーストウッド監督の映画「グラン・トリノ」が、今年の1月、北米興行収入で1位になりました。フォード自動車の1972年型フォード「グラン・トリノ」の生産に携わったことを誇りとしている白人の老人が主人公です。有色人種を見下していたその老人が、隣家に越してきたアジア系の大家族と交流を深めていきます。最後は、不良グループに取り込まれようとするアジア系姉弟を救助するために、自らを犠牲にしました。
 初代教会では、イエス様の愛により物を共有し、貧しい人は一人もいませんでした。

B.聖書より

(34)信者の中には、一人も貧しい人がいなかった。土地や家を持っている人が皆、それを売っては代金を持ち寄り、(35)使徒たちの足もとに置き、その金は必要に応じて、おのおのに分配されたからである。使徒言行録4章34〜35節
 初代集会では、私有財産は放棄され、共有財産から互いの世話をしました。祈りや言葉の証しに加え、最も大切なのは、兄弟への愛の実践です。各個人が財産の売却によって得た金を自ら困窮者に分配していました。4章では、財産の売却後にその金は使徒に渡され、使徒がそれを集会の必要な人にさらに分配しました。この時点で、使徒たちの管理した共同金庫があったのです。

C. 大不況は神の恵み

 シューラー牧師がウェスタン神学校の学生のとき、ある教授が「教会が必要とする金を得るための知恵は聖書にある。神は収入の10分の1を神にお返ししなさい、と言われる。マラキ3章10節には『十分の一の献げ物をすべて倉に運び わたしの家に食物があるようにせよ。これによって、わたしを試してみよと 万軍の主は言われる。必ず、わたしはあなたたちのために天の窓を開き 祝福を限りなく注ぐであろう』と書かれている」と言いました。
 シューラー神学生は質問します。「私は神学生としてトイレ掃除をしながら週20ドルの収入で暮らしています。先生はこんな私にも、毎日曜、献金皿に収入の10%、つまり2ドルを献げろと言われるのですか」と。教授は、「それを怠ってはならない。もし神を信頼しているのならば、神はあなたに、週18ドルで暮らすほうが、20ドルよりも豊かに暮らせる知恵を与えてくださるからだ」と言いました。それはちょうど実家が竜巻のためにすべてを失ったときで、一家が経済的に苦しんでいる状況にありました。それでも、10%を献げようと覚悟を決めます。これは生涯で最も素晴らしい決断の一つでした。心の奥深いところで、「シューラー、もしこの神からの発想を受け入れる信仰がなければ、これから神が与えてくださるもっと大きな思いを捕らえる信仰を持つことはできないであろう」という声を聞いたのです。
 10分の1献金するようになって6年後の1955年、カリフォルニアで開拓伝道することになりました。カリフォルニアへの道中、オルガンを買おうと友人が経営する楽器店に立ち寄ると、友人はこう言いました。「1800ドルの電気オルガンなら、400ドルを頭金にして、残りは月々36ドルの36回払いでいいよ」と。シューラーは即、購入を決めました。6ヶ月間は教団から月々375ドルの収入があります。その10分の1、つまり毎月37ドルの献金を月々36ドルの支払いにあてることにしたのです。普段から10分の1献金をする習慣がなければ、オルガンの購入はしなかったでしょう。これが開拓伝道の第一歩でした。その後開拓伝道は発展し、今ではクリスタルカテドラル教会というとても大きな教会で礼拝しています。
 貧しい時にこそ信仰が鍛えられます。その中で神さまにお委ねし、神さまに時間と労力と金とを献げる決意をすれば、必ず祝され、人々に与える生涯が送れるようになるのです。

D.結び

 神さまの国の完成の時まで、神さまの国の理想を求めながらも、この世にあって生活を送るのが、キリスト者です。クリスチャンの愛があるところには、心も体も魂も貧しい人は一人もいてはならないのです。御翼2009年6月号その4より


  
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