「計り知れない力」

A.「従業員の幸福のための会社」メガネ21

 「ノルマなし」「社員ボーナス500万円」「内部留保なし」「銀行借り入れなし」という夢のような会社は「メガネ21(トゥーワン)」です。創業者の平本 清氏が、このような「従業員の幸福のための会社」を作った基盤は、「人からされたくない事は自分も人にはしない」という論語(中国の思想家・孔子の言葉)でした。
 「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」(マタイ7:12)というイエス様の言葉は、論語よりも更に積極的です。
 メガネ21の平本氏の行いは、立派な経済活動です。しかし、イエス様に従う私たち教会は、人の魂の救いにかかわる素晴らしい業が行えます。

B.聖書より

人々は病人を大通りに運び出し、担架や床に寝かせた。ペトロが通りかかるとき、せめてその影だけでも病人のだれかにかかるようにした。使徒言行録5章15節
 せめて影だけでも、という表現は、迷信的に聞こえるかもしれませんが、神さまの力で満たされた人々の影響力を考えたとき、その影響は計り知れないのです。イエス様に近づけば近づくほど、影響を与える範囲は広くなります。
 神さまの力で満たされた人々は、平穏、つつましさ、確信を持っています。そして、自分たちだけでは何もできないことと、彼らを強くしてくださる方によって、何事でもできることも知っています。彼らは魂のエネルギーを分け与える水路のようになっているのです。ペトロは無限の生命力、活力の源とつながり、自分の魂に、神さまの力が流れ込むようにしていました。人々は、ペトロの影ではなく、ペトロを通して働く神さまの力にいやされていたのです。

C. 死を受容した十六歳の少女

 昭和12年、京都大学医学部を卒業した日野原重明医師が死をみとった最初の患者は、女工をしていた16歳の少女でした。7月下旬のある日曜日の朝、彼女の結核性腹膜炎の容態は、早朝からひどく悪化しました。日野原先生は時々、彼女の手を意識的に強く握り、「今日は日曜日だから、お母さんが午後からこられるから頑張りなさいよ」と激励し、モルヒネを注射しました。少女は苦しみが少し軽くなり、大きな眼を開いて「先生、どうも長いあいだお世話になりました。(礼拝がある)日曜日にも先生にきていただいてすみません。でも今日は、すっかりくたびれてしまいました。私は、もうこれで死んでゆくような気がします。お母さんには会えないと思います。先生、お母さんには心配をかけ続けで、申し訳なく思っていますので、先生からお母さんに、よろしく伝えてください」と言いました。日野原先生は、「安心して死んでゆきなさい」などとはとても言えず、「あなたの病気はまたよくなるのですよ。死んでゆくなんてことはないから元気を出しなさい」と言います。そのとたんに彼女の顔色が急に変り、二つ三つ大きく息をしてから無呼吸になりました。
 先生は「私は、今になって思う。なぜ私は、『お母さんには、あなたの気持ちを充分に伝えてあげますよ』と言えなかったのか?そして私は脈をみるよりも、どうしてもっと彼女の手を担っていてあげなかったのか?・・・16歳の少女が、死を受容し、私に美しい言葉で訣別したその事実を、私はあとからくる若い医師に伝えたい。医学が、看護がアートであるということは、このような死に対決できる術を、医学や看護に従事する者が持つことをいうのではなかろうか」と記しておられます。
 日野原先生は、不安がる患者さんには、「上を向いて行きましょう」と言います。聖霊で満たされ、神の国に確信を持っておられる日野原先生の、「上(神の国)を目差して行きましょう」という意味の言葉には、人の心を穏やかにする力があります。

D.結び

 人の魂が神さまの霊、聖霊で満たされているとき、その人が周囲に及ぼす影響は計り知れないものがあります。イエス様に従う私たち教会は、さらに人の魂の救いにかかわる素晴らしい業が行えるのです。
御翼2009年7月号その3より


  
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