2017年御翼11月号その1

                           

養える自信がないから結婚しない!?―― ジェイソン

 米国出身の在日IT企業役員でお笑いタレントの「厚切りジェイソン」が、英字新聞で、恋愛や結婚に消極的になっているといわれる日本人の結婚観を題材に投稿していた。Asahi Weekly No.2286 Sunday, September 24, 2017より 
ここ数十年で、若者の結婚観が変わってきています。西洋諸国でもそうですが、特に日本で、その傾向が強いようです。安定した職に就くまで、あるいは給与が良くなるまで結婚を遅らせる若者が増え、生涯独身で暮す人も増えています。
 なぜ若くして結婚するのを恐れるのでしょう。結婚の目的は、人生という冒険を、パートナーと共に生き抜くところにあるはずです。結婚とは、老いた時に振り返ることのできる、人生で共通の思い出を作る旅路であって、それにより夫婦関係は強められるものなのです。「あのときのこと覚えてる?」「あれは大変だったけど、何とか一緒に乗り越えることができましたね!」「その時は大きな問題に思えたけど、今思い返すと、笑い飛ばすことができる」と。
 結婚とは、困難に遭ったときに支えてくれるパートナーを得ることです。なぜ、独りで苦闘することを選ぶのでしょう。人生での問題がすべて解決するのを待ってから結婚するのでは、共に体験する冒険も残されていません。思い出も作れません。
私が妻と出会ったのは、19歳のときで、まだ大学生でした。彼女は、私が調査目的で最初に日本に来たときのコーディネーター(とりまとめ役)でした。来日する前から、私たちは旅程や宿泊のことで連絡を取り合っていましたが、私は彼女が女性であるとは知りませんでした。メールではいつもMr.と宛て名に書いていたのです。なぜか彼女はその誤りを指摘してきませんでした。
 日本に到着して彼女に会ったとたん、私は一目惚れしました。デートを重ね、会ってから四カ月も経たないうちにプロポーズしました。当時、私には安定した収入もなく、就職先も決まっていませんでした。貯金もありません。大学卒業まであと一年残っており、学費のローンもありました。それにもかかわらず、心配はしませんでした。唯一確信していたことは、彼女と一緒であれば、人生のどんな荒波にも耐えられるということでした。幸運なことに、彼女はプロポーズを受け入れてくれました。そして一年後、ミシガン州立大学を卒業する直前、米国で結婚しました。それ以来、ずっと共に歩み続けています。
私の最初の就職先を決めるときに、彼女は相談に乗ってくれました。最初の車を買う時、最初の家を買う時、ベンチャー企業に転職して、日本法人を立ち上げるときも、妻は話し相手になってくれました。日本でコメディアンになろうとする時も、話に乗ってくれました。そこまで信頼できるパートナーがいなければ、これまで決断してきたことも、決められなかったと思います。今までのことすべてを、独りで生き抜くなどということは想像すらできません。日本の若者の多くは、家族を養えるかどうかを先に心配します。それでは本末転倒です。あなたを支えるのは、家族なのです。(御翼用に、佐藤 順が和訳)
厳格なクリスチャンの父親に育てられたというジェイソンさんの結婚観は、聖書に基づいている。

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