2017年御翼11月号その4

                           

励ましの言葉がパートナーを大きくする ―― ゲリー・チャップマン

 わたしたちは誰でも、弱気な側面を持ち、勇気が欠けているため、したいことができないことが少なくない。潜在的にできる能力をもっているのに弱気になっている場合、パートナーは配偶者の励ましを待っていることが多い。
 自分が欲することを配偶者にさせるためにプレッシャーをかけろと言っているのではない。パートナーがすでにもっている興味を伸ばすよう励ますのだ。たとえば、妻に体重を減らすようプレッシャーをかける夫がいる。夫は「妻を励ましているのさ」と言うかもしれないが、妻にとっては、非難のように聞こえる。妻の励ましになるのは、当人が体重を減らしたいと思っている場合に限られる。妻がそうした願望をもつまでは、夫の言葉は説教の部類に入るだろう。それは愛ではなく、拒絶を表現している。
 愛の目的は、あなたがしてもらいたいことをさせるのではなく、愛する人の幸せのために何かをすることである。そして、何よりも、励ますには、共感する力とパートナーの立場に立って物事を見る能力が必要である。まず、パートナーにとって何が重要なのかを学ばなければならない。その後に、はじめて励ますことが可能となる。パートナーが、「私、今年の秋、体重を減らすプログラムをはじめたいと思っているの」と言ったとすれば、励ますチャンスである。「もし君がそう決めたのなら、きっと成功すると思う。君の意志の固いところが僕は好きなんだ。何かをこうと決めたら、君はかならずそれを実行する。君が本気なら、僕はできるかぎりの応援をするよ。費用のことは心配いらない。本気でやる気なら、お金はどうにかなるさ」と。このような言葉は減量センターに電話をかける勇気をパートナーにあたえるだろう。
 自分の潜在能力を使いきって生きている人は少ない。ほとんどの人はもてる力のほんの一部しか使っていない。もてる力を発揮できなくさせているのは、勇気の欠如であることが多い。だとすれば、配偶者の励ましが重要な後押しになるかもしれない。あなたのパートナーも何かの隠れた才能をもっているかもしれない。その才能を伸ばすことがパートナーの人生をよりよきものにするかもしれない。だとしたら、あなたの励ましの言葉はパートナーに最初の一歩を踏みださせるための重要なきっかけになる。
以上、ゲリー・チャップマン『キケンなふたり』(世界文化社)より

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