2017年御翼4月号その1

                       

感情の自制―神から力をいただく秘訣

 ピール牧師は、トーマス・A・エジソン夫人と、発明の天才である彼女の夫(エジソン)の習慣や性格について、しばしば話し合ったという。夫人によるとエジソンは、何時間も研究したあとで研究所から戻って来ると、子どものように自然に眠りつき、深い、煩わされない睡眠によって完全に休息をとるのだった。そして、3~5時間ぐっすり眠ると、完全に元気が回復して、仕事に戻るのだという。
エジソンがそのように、自然に逆らわずに休むことができるのは、どうしてなのかとピール牧師が尋ねると、エジソン夫人は、「あの人は自然人でした」と答えるのだった。このことについて、ピール牧師は以下のように言っている。
 「彼女の言った意味は、彼が自然と神とに完全に調和していたということなのである。彼には、何ひとつとして妄念(迷いの心)もなければ、心身の不調和もなく、心の葛藤もなく、心にいってきかせる言い訳もなく、感情の不安もなかった。エジソンは眠くなるまで仕事をして、ぐっすり眠り、起きると仕事に戻るのだった。そんなエジソンは、アメリカ大陸に今まで出現したうちで最も創造的な頭脳であったのである。エジソンのエネルギーの根源は、感情の自制と、完全に心身を休める才能にあった。彼に、宇宙と調和を保つ驚くべき能力があったからこそ、自然界はその不可思議な秘密を、彼に明かしたのである。私がこれまでに知り合った偉大な人物は、いずれも大きな仕事のできる能力を持った人々であるが、彼らは皆、無限なる者(創造主、神)と和合している人たちであった。このような人はどの人も、自然と調和し、神の力と接しているように見える。彼らは必ずしも信仰深い人たちではなかったが、感情的・心理的見地からみて、例外なしに、調和のとれた人たちであった。自然の力を無駄に消費することを引き起こすのは、心配とか憤りとか、心の葛藤とか妄念とかによるのである。
 聖書はどのページをめくってみても、活力と力と生命について語っている。そして、生命は活力――精力をもって満たされた活力を意味しているのである。イエスは、次のようなきわめて重要な言葉を述べている。『わたしがきたのは、羊に命を得させ、豊かに得させるためである』(ヨハネ十章十節)これは、誰でもキリスト教の創造的な、しかも鋭気を甦らす教理を実行すれば、力とエネルギーを得て生きるということをいっている」と。
N・V・ピール『積極的考え方の力』(ダイヤモンド社)より

 聖書には、「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい」テサロニケ第一5・16~18)とある。いつも感謝しているかどうか、指針となるリストが中川健一『<聖書流>生き方指南』に記されている。
次のようなことが起こった時に、幸せを感じたり、ありがたいなという思いになったりしますか。もしそうなら、あなたの内面(人格)は、確実に成長しています。
① 苦しみに耐える忍耐心が養われた時
② 今まで知らなかったことに新しく目が開かれた時
③ 失敗や成功を通して、謙遜にさせられた時
④ 苦しみの中で、誰かから助けられた時
⑤ 困っている人を助ける機会が与えられた時
 試練の中にある「隠れた祝福」に気付き、そのことに感謝できるようになっているなら、私たちの内面は完成へと近づきつつあります。

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