2017年御翼4月号その4

                           

神の御国はこのように働く――― パット・ロバートソン

  カリフォニア州で有名な産婦人科医、リチャード・E・イービー医師は、1972年に、二階のバルコニーから転落して頭蓋骨を割り、死亡した状態になった。それが数分か、何時間かは分からないが、奇跡的に生き返った。彼は死を経験している間、魂が肉体から離れて、天国に行ったという。そこは、最も美しいところで、彼が天国の、花の咲いている草原に入り歩いていると、花の美しさに圧倒された彼は、「花束にして匂いを嗅いだらすばらしいだろうなあ」と考えた。しかし彼がかがもうとした時、すでに彼の手の中には花がいっぱいあった。別の場所で、遠くに見える谷に行けたらいいと思った時、突然彼はその遠くの谷にいたという。科学的な人間として、この経験を慎重に分析した結果、天国では、ただ考えるだけでその行動が生み出される、という結論に達した。
 聖書では、「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです」(ヘブル11・1)とある。但し、『成功哲学』の著者ナポレオン・ヒルをはじめ、この世の積極思考の支持者たちは、キリストの統治下にいないまま、神の超自然的な原則を利用しようとしている。それでは、それらの利益は一時的で、やがては有害なものになる。イエス様は、「人は、たとい全世界を得ても、いのちを損じたら、何の得がありましょう」(マルコ8・36、37)と警告された。 
 もし、私たちがキリストの名において祝福、勝利、成功を告白するなら、そのとおりになる。しかし、ほとんどのクリスチャンはこの真理を無視している。「お元気ですか」、と誰かに尋ねると、「いや、ひどいもんです」と答えが返ってくる。その人はその言葉によって、自分の体が病気になるように命じたことに気がついていないのだ。「できますか」と誰かに尋ねると、「いや、できません」と答える。彼は自分の語った言葉によって、神と自分自身を制限してしまったことを知らない。「借金状態から抜け出せない」と誰かが言えば、彼はまさに、自分の借金が続くようにと命じたのである。使徒パウロは大胆に宣言している。「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです」(ピリピ4・13)と。  
以上、パット・ロバートソン『神の10の法則』(角笛出版)より

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