2018年御翼12月号その3

                           

御言葉と共に天に召される―― 佐藤正子牧師

 母・佐藤正子は3年半前から、新宿区内の特別養護老人ホーム「聖母ホーム」で過ごしていたが、一カ月前、出血性脳梗塞で意識を失い、隣の聖母病院に入院した。口から食べられないが、点滴を続ければ、安定して命は保てる。しかし、あまり反応はしない。点滴を外せば、1週間くらいで亡くなるという。本人も延命は望んでいなかったので、点滴を外していただくことにした。これが入院してから四週目のことである。最期の八日間、水分も栄養も採れないので、やせて行き、一昨日、天に召された。
 母はホームにいた間、毎日曜、車椅子ごと乗れる福祉車両(自家用)で、父と共に創設した牛込キリスト教会の礼拝に出席した。教会の人たちにとって、創立牧師の夫人が出席することは、大きな励みであった。車椅子で母は3年間、礼拝に通い、11月4日(日)牛込教会の61周年記念礼拝をホームから見届けるかのようにして、6日(火)の朝、天に召された。
 私は二年前から創世記を順に追って講解解説して来たが、先週の日曜日、割り当てられていたのが創世記48・21「間もなく、わたしは死ぬ」とヤコブがヨセフに言う場面であった。その二日後の6日(火)朝6 時にホームの職員が、佐藤正子の呼吸が停止しているのを発見した。そして、この日の通読表(母が始めた習慣)に割り当てられていた聖書は、「イエスは、…『成し遂げられた』と言い、頭を垂れて息を引き取られた」(ヨハネによる福音書19・30)であった。
 これらの御言葉から、母はイエス様と共に歩み、使命を成し遂げて天に召されたのだと確信した。その二日後の家族葬の日、同じ通読表に割り当てられていたのは、(イエス)復活する(ヨハネ20・1~18)であった。母の家族葬を終えた翌週の聖日礼拝での講解説教の聖句は、「ヤコブは、…寝床の上に足をそろえ、息を引き取り、先祖の列に加えられた」(創世記49・33)であった。

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