2019年御翼10月号その3

                           

神が日本に残した指紋(キリスト教は日本文化の一部)

「どの民の歴史や文化にも、創造主なる神の痕跡を見ることができる」、という立場から世界中の民族の歴史・文化を研究しているグループがある。ハワイに住む日系4世の牧師が中心となっている「アロハ・ケ・アクア・ミニストリーズ」がその団体で、2008年に「神が日本に残した指紋」というDVDを発表した。
それによると、人類学者や歴史学者は、世界各地で「創造神」を発見しているという。例えば、韓国のハナニム、中国のシャンティー(上帝)、エチオピアのコロ、トーゴ(西アフリカの共和国)のマウェ、ポリネシアのイオ、南米のテューパン、北米のキッソクなどが各国の創造神の名前である。特に、韓国の創造神の名ハナニムは、韓国の聖書で使われており、中国でも、中国語の聖書にシャンティーが使われている。日本では、古事記に登場する神、「天之(あめの)御(み)中(なか)主(ぬしの)神(かみ)」(天の中心におられる神)が日本の歴史と文化の創造神であると多くの学者が指摘する。また、天之御中主神は、8世紀初頭に日本に伝来した、キリスト教ネストリウス派の景教から来たと考える学者もいる。
 日本最古の書物である古事記(712年)の序文には、以下のように記されている。「天地が分離しない以前の混沌とした状態のものが既に固まって、天地の現象がまだ現れていなかったとき、そこには名も無く業も無く、誰がその形を知りえようか。しかし、天地が最初に分かれたとき、三人の神が創造を始めた。天地の初めに高天原(たかまがはら)に出現した神の名は、天之(あめの)御中主(みなかぬしの)大神(かみ)、次に高(たか)御産(みむ)巣(す)日(びの)神(かみ)、次に神産巣日(かみむすびの)神(かみ)。これら三人の神は、皆、単独に在る神として現れ(つまり生み出されたのではなく)、現世に形を現さなかった」と。創世記1・1~2には、「(1)初めに、神(エロヒム=字義的には神々で、聖書的には三位一体を示す)は天地を創造された。(2)地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた」とあり、古事記の内容は、旧約聖書から取られたと言えそうである。
茶道を完成させた千利休は、キリシタンである、茶道は謙遜に仕えることなど、キリストの教えで成り立っている。その作法は、バチカンでの聖餐式と殆ど同じなのだ。クリスチャンになると茶道はできない、と教えられる者もいるという。それに対し、世界青年宣教会(YWAM)会長で、国際和解連合の創立者ジョン・ドーソン師は以下のように言う。
 「神は日本人を愛しておられます。神はこのユニークな文化を作られたのであり、それは他の人種の文化によって影が薄くなってはいけません。私が残念に思う一つのことは、日本に限らず、多くの民族が彼らに伝道した人々の文化によって覆い隠されていったことです。私たちの民族には、伝道する時に、文化的傲慢があって、その民族の特殊性を封じ込めてしまって、それを祝おうとしない傾向があります。私は何度もそのことの赦しを請わなければなりませんでした。実際、今もその赦しを請います。こんなことは一度も起こらなければよかったのに、と思っています」と。


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