2019年御翼11月号その1

                           

竜巻で全壊したシューラー牧師の生家

 アイオワ州の農夫だったロバート・H・シューラー牧師の父親は、牧師になりたかったが、小学生の時に父が他界したため、小学校をやめて農家に雇われる。やがて借金をして農場を手に入れ、独立する。子どもは4人与えられるが、牧師になるのに相応しい子を与えてほしいと祈り、妻が高齢になってから第5子としてロバートが誕生した。そのロバートが大学生の頃、帰省すると、竜巻が生家を襲う。家族で車で逃げて命は助かったが、家と納屋、家畜全てを失い、土地を購入した多額のローンだけが残った。「20年の努力が、一瞬にして水の泡だ!」と父は嘆く。誰もが父親の人生は終わったと思った。瓦礫の中を探していると、台所の壁にかかっていた飾り板が真っ二つに割れて見つかる。そこには、〝Keep looking〝とあった。元々は〝Keep looking for Jesus.〝(イエスを求め続けなさい)と書かれていたプレートが半分に割れ、〝Keep looking〝(探し求め続けよ)だけが残っていたのだ。
 全てを失ったと思った時に、「探し求めなさい」と主からのメッセージを頂いた思いになり、父親は打開策を求め続けた。そして、自分で解体することを条件に50ドルで古い農家を買い、その廃材から家を建て直した。釘も一本ずつ真直ぐに伸ばし、再利用したという。銀行にはローンの借り換えを申し込むと、返済期間を20年延長してくれた。その地域にあった9つの農家のうち、再起できたのはシューラー家だけだった。すると数年後には農作物の価格が急騰し、ローンも5年間で払いきることができたという。最後には、父親は経済的にも祝されて生涯を終えた。
信仰によって無から有を生み出す工程を父から教わったことは、後にシューラー牧師が開拓伝道をする基盤となった。
 ほとんどの問題が、幻想なのだ。どんな問題にも前向きな可能性が潜在しているからである。


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