2019年御翼12月号その4

         

夫婦で祈る時

 世界平和は、反戦運動により実現するのではなく、まずは家庭の平和から始まる。
個人主義が発達しきった感のある米国での離婚率は50%とも言われている。自分の権利ばかり主張するところに幸福な結婚などない。そんな米国でも、定期的に夫婦で祈る習慣を持つ家の離婚率は1500組中1組だという。幸せな結婚を維持して行く秘訣は、夫婦が共に祈ることである。夫婦が一緒に祈る時、互いへの態度は和らぎ、温かく優しい感情が芽生えるのだという。
 夫婦間で争いが起こったときは、怒りの感情をなだめようと互いに向き合うよりも大切なことがある。それは、二人で手を取り合い、心を神に向け、祈り、聖霊で満たされて、神がその夫婦のためにご計画され、備えられた未来と祝福に目を向けることである。
 イエス様は、マタイ18章20節で、「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである」と言われた。これは、人数が多ければ、祈りの力が増して願いがかなえられるという意味ではない。神は自己中心的な祈りを実現されないが、二人が互いに相手のことを配慮し、自分を捨てて祈る時、素晴らしい神の御業が表れるという意味である。また二人いれば、苦難にも信仰を持って立ち向かう元気が与えられ、神の時を忍耐強く待つことが出来る。この大切な真理を、夫婦の間でも実践すべきなのだ。夫婦で祈る時、一人で祈っていただけでは気付くこともない、二人への共通の恵みや祝福に気付くこととなる。また、共に祈る夫婦では、コミュニケーションが増す。会話が増えれば、より親密に祈ることが出来る。多くの夫婦が、共に祈り、霊的に親密になっていると、より肉体的にも親密になれると言っている。祈ることで、互いが何を必要としているかを尊重し、配慮し合うことで、より満たされた関係が築けるのだ。

 

夫婦で祈る秘訣


① 共に座り手を取り合う。多くの夫婦が、祈る間は互いに触れ合っていることの重要性を指摘した。
② 夫と妻、どちらでもよいが、一方が責任を持って、祈る時間だ、と言いだすようにしないと、なかなか実行でき ない。多くの場合、夫が祈ろう、と言い出す係となった方が、成功率は高い。
③  時間制限を設定する。長々と祈るよりも、小さく始めて、そこから成長して行けばよいのだ。1時間祈ることは困難だが、5〜10分祈る時間なら二人でとれる。ある婦人は、長々として祈りは敬遠したい「一度に14項目以上は一人で祈らないこと」と述べている。
④ 祈りの中では決して相手に説教をしないと決めること。また、祈りを相手に何かを提案する機会とはしないことである。そう決めるだけで、今までは夫婦で祈ることを敬遠していた二人が、祈り始められるようになるという。
⑤ とにかく単純に、「天の父なる神さま…」と呼びかけて祈り始めることである。
デイビッド・ストゥープ博士(ファミリー・セラピー・センター創立者)

 一方が未信者の夫婦でも、祈ることで霊的な交わりは出来る。あるクリスチャンの婦人は、未信者の夫と祈り始めた。すると、信仰のない夫は、「私はクリスチャンではないが、私は霊的な存在である。妻と祈ることで、自分の霊的な局面に、より触れることが出来たと思う」と言った。霊的なことに対して心を開く夫婦に、神は素晴らしい業を成されるはずである。


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