2020年御翼12月号号外

         

結婚の十戒 ロバート・H・シューラー博士  和訳:佐藤 順

1.マナー(態度)に注意する Mind your manners!
人は公衆の面前では礼儀正しく振舞うが、家に戻った途端、マナーを忘れてしまいがちである。しかし、生涯を共にする夫婦の間でこそ、一番良いマナーで接するべきなのだ。マナーに注意するとは、礼儀正しいこと、尊敬の念をもつこと、思慮深くあることなどを意味する。夫が妻のためにドアを開けたり、雑用を手伝ったりすることもそうである。
2. 愛の表現をやめない Never stop courting!
人間関係は常に流動的である。従って絶えず、愛を表現しよう。愛の表現とは、心の奥からのコミュニケーションである。これの欠如が結婚崩壊の最大要因なのだ。週一回は、仕事や子どもたちから離れ、リラックスした雰囲気の中で2~3時間二人きりで語り合おう。これによって、夫婦は親密な友としての交わりを保っていける。
3.お金を支配しなさい、さもなければお金があなたを支配する 
Manage money, or money will manage you!
多くの結婚が、人生の終局の目的はお金だと思うことから壊れていく。人生で最良のもの、深い満足感を与えてくれるものや深い愛情などは1円も払わずに経験している。お金を支配するか、さもなければお金があなたを支配するかである。収入があったとき、10%をキリストと教会のために献げ、更に10%を貯金し、それが何倍にもなるように神に祈る。そして、残りの8割で暮らすように自己訓練するのだ。この公式は実に有効であり、夫婦は金銭的なことで口論することはなくなる。
〈マラキ3:10 「十分の一をことごとく、宝物倉に携えて来て、わたしの家の食物とせよ。こうしてわたしをためしてみよ。──万軍の【主】は仰せられる──わたしがあなたがたのために、天の窓を開き、あふれるばかりの祝福をあなたがたに注ぐかどうかをためしてみよ。」〉
4.結婚の中で性の交わりを楽しみなさい Enjoy sex in the commitment of marriage.
性の交わりは、夫婦の間で楽しむことが創造の秩序である。その理由は、性感染症の予防だけでなく、関係が暴露されることを恐れなくてよいからである。そして、自分だけでなく、常に相手が満たされるように努めることが大切である。配偶者に喜びと楽しさをもた
らす生活をすれば、自分自身が幸福を味わうことになる。幸福は、常に副産物としてついてくるものなのだ。
〈創世記2:24「それゆえ男はその父母を離れ、妻と結び合い、ふたりは一体となるのである。」〉
5.新しい友だちをみつけるため冒険する Discover friends that both of you enjoy.
自分の昔からの親友が、妻(夫)の気に入らないことに感づいたら、古くからの友情を整理しなければならない。古い友人よりも結婚が優先されるべきである。互いに楽しく思え、結婚と愛が強められるような友達を選ぼう。
6. 婚姻で親戚になった人達に対する内規をつくる Establish by-laws on in-laws!
父母が娘を嫁がせると、娘にとって第一位を占めるべきなのは両親ではなく、夫となる。互いの親類の悪口や、軽蔑することを言ってはならない。
7.幸福は、瓶詰めや箱入り(酒や麻薬)ではやっては来ない
Happiness does not come in bottles or boxes.
禁酒はクリスチャンになる条件ではない。しかし結婚生活で、飲酒問題ほど蔓延している問題はない。多くの恐ろしい問題は、美しい瓶入っている。酒や薬物による喜びや楽しみは真実ではなく、化学物質の刺激による幻想であり、頭脳や心、体の力によって生み出されるものではない。真の幸福は有意義な人間関係に見出されるのだから、そこに永続する幸福を求めよう。社会で成功するため、社交的に飲む必要など全くない。成功をとげた立派な有名人が、丁重に酒を飲むのを断わっているのを見かけることもある。幸福で、皆に愛され、楽しさが広がる笑いのある、酒を飲まない人になろう。幸福は瓶詰ではやってこない。
〈エフェソ 5:18~19 「(18)酒に酔いしれてはなりません。それは身を持ち崩すもとです。むしろ、霊に満たされ、(19)詩編と賛歌と霊的な歌によって語り合い、主に向かって心からほめ歌いなさい。〉
8.年月と共に、より親密になるようにする
Make a decision to grow closer as the years go by.
結婚とは50対50の協定ではない。50%ずつ与えれば良いと思っていると、自分の分を果たしたのだから、あとは相手がやるべきだ、と争いが絶えなくなる。そうではなく、60対40の協定が必要なのだ。互いに60%与えて、相手は40%でよいという心掛けでいれば、対立は避けられ、譲り合いのオーバーラップができて絆が深まり、互いを尊重するようになる。
 また、子育てが始まっても、優先すべきは夫婦の間柄である。母親が泣いている子を世話するとき、「夫よりも子どもの方が私を必要としている」と思うのは誤りである。子育て以前に、結婚がある。夫婦が強い絆で結ばれていると、子を訓練し、励ます夫婦一体となった権威が生まれ、子どもは真っ直ぐに育つ。与え、譲り、赦すこと、そして得点の記録をしないことである。そうすれば、年月と共に、二人はより密接になって行く。
9.互いに信頼を保ちなさい 
Keep faith with each other.
配偶者を裏切った場合、悔い改めればキリストの犠牲により罪の赦しは得られる。しかし、割れた花瓶を張り合わせてもヒビ割れは残ってしまうように、傷はなかなか消えない。忠誠を守り、信頼を保つならば、どんな問題であっても、話し合い、歩み寄り、助け合い、互いに心を通わせ、乗り越えていける。
10. 信仰を見出し、養いなさい
Find a faith and nurture it.
 このような愛を持ち続ける唯一の方法は、あなたの魂に、聖霊(神の霊)に入って頂くことである。人間は生来、利己的で自己中心的である。「私は自分のしたい時に、したいことを、したいやり方でする。私の邪魔をする人は嫌いだ。私を挫折させ、私に反対する人は嫌いだ。私に賛成すれば愛してあげよう。不賛成なら愛したりしない」これは人間の本性である。
しかし、キリストは人間の魂に入られ、この態度を変えてくださる。「イエス様、私の頭でお考えいただくために、お入り下さい。この顔が、あなたによって輝きますように。私の目が、あなたによって人々を見ることが出来ますように。私の心を開いて、人々を愛し、いたわることができるように導いてください」こう祈った時、キリストが入ってこられ、人々を愛することができるようにしてくださる。
愛には三つの段階がある。
I love you, because I want you.
あなたが欲しいから愛します。
I love you, because I need you.
あなたが必要だから愛します。
I love you, because you need me.
あなたが私を必要としているから愛します。
最初の二つは自己中心的な愛である。しかし、三つめの愛は、相手が自分を必要としているからそばにいて差し上げます、という、成長した愛なのだ。
 このような愛を神さまから頂き、限りなく祝される家庭を築こう。〈コロサイ3:14「愛は、すべてを完全に結ぶ帯である。」〉


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