2020年御翼4月号その1

         

伊勢神宮巡り(伊勢研修)

 先週、神学校の学生の方々と家族の合計七名で、三重県の伊勢神宮へ研修旅行に行ってきた。伊勢(イセ)はイエスのことで、五十鈴川の五十鈴(イスズ)は、イエズスだと私は考えているからである。
 イスラエルの歴史学者・アビグドール・シャハン博士は、日本のことをよく研究し、日本に古代イスラエル人が来ていたと確信している。「日本では、エフライム族(イスラエルの失われた十部族の一つ)を発見したのです。エフライム族に率いられて、十部族の子孫たちは、日本に到着してから、彼らはその地に住み着き、その地を聖なる土地として、モーセの宗教に乗っ取った生活を始めました」と博士は言う。古代の神道は、モーセの宗教から来ているという考えである。「そして、あたかもシナイ砂漠での放浪を記憶するかのように、何十年かごとに神殿を建て直す習慣さえあるのです」と言う。これは伊勢神宮の式年遷宮を指している。式年とは決まった期間のことで、遷宮とは宮を移すことである。伊勢神宮は二十年ごとに宮を移すが、昔は、近畿地方をあちこち動き回っていた。最終的に伊勢の地に来て、そこで鎮座したが、二十年ごとに隣の敷地に移っている。これは古代イスラエルにおいて幕屋がシナイ半島のあちこちを巡り歩いていたという歴史を汲んでいるという考えである。「そして、シナイ山で与えられたトーラー(律法)を、長年の流浪で多少の変化を帯びていたものの、守り続けようとしました。彼等は自分たちの信仰と教えとを神道という名前で呼びました。この言葉は、聖書のモーセの律法に登場するシナンテム(ヘブライ語で、「この教え〈トーラー〉を教えなさい」という意味)です」シナンテムは原語の直接の意味は、「繰り返し学ぶ」であり、それが神道(シントウ)の語源ではないかと、シャハン博士は言う。
 伊勢神宮の外宮(げくう)には、豊受(とようけの)大神(おおみかみ)が祀られており、「受(うけ)」は食物のことである(ヘブル語でも食べ物を「ウケ」という)。豊受大神は食物を豊かに与える神である。そして、古代の神道の書物によると、豊受大神は天(あめの)御中(みなか)主(ぬしの)神(かみ)(古事記に最初に表れた神、一番偉い神)と同じ神である。そして、神道の学者たちには天御中主神は聖書の神が起源だと言う人たちがいる。
 内宮(ないくう)には、天(あま)照(てらす)大神(おおみかみ)が祀られているが、これにはイエス起源説がある。こう発表される久保有政氏は、以下のように話をまとめられた。
 「完全には、私たちはその謎を解くことはできないかもしれません。しかし、状況証拠は沢山あります。そういう中において、これを証明することは大切だとは思っていないのです。むしろ、一番大切なことは、日本の伝統とか文化というものは、聖書の影響をかなり受けているということです。また、古代の日本人は聖書の神を知っていたということです。知っていただけでなく、信じていたということです。そしてそれを、礼拝するのが神道というものであった、ということなのですね。この神道というものを、私たちクリスチャンたちは、とかく多神教の偶像礼拝だとか見てしまうかもしれないけれども、そうではなくて、もともと神道を信じていた日本人は、聖書の神様を信じていた…だから、聖書の神に立ち返ることが、今日の日本人にとって大切なことなのです。
 その聖書の神様を知ることが、本当の信仰に戻ることなのです。そしてまた、先祖たちの信仰に立ち返ることになると思うのです。私たち日本人は、聖書の教えに立ち返らなければなりません。これが、私たちが最も訴えるべきことなのではないかと思います。
 『日本宣教の突破口』の著者・手束(てづか)正昭先生は、日本人の民族的アイデンティティーを支える柱として、キリスト教を位置付けることだと言っておられます。これまでは、多くの教会において、個人個人の救いは、いろいろ説いてきました。しかし、クリスチャンになっちゃうと、どうも日本人をやめちゃう雰囲気があるのです。つまり、神社や仏閣に行ってはいけない、日本の祭に参加してはならない…。クリスチャンになるということは、もう日本人はやめなさいよ、と言っているみたいな教えになってしまっている。それでは、ダメなのです。日本の伝統文化というものを大切にしながら、クリスチャンになって聖書の神を信じると言うことは、日本人の民族的なアイデンティティーを支える柱になり得るのだ、ということを説いていかなければなりません。それが日本宣教の突破口なのです。
 聖書の神様は、外国の神様ではなく、日本人の先祖たちが信じてき神様なのです。その先祖の信仰と同じものに立ち返りましょう、ということを説いているのです。」
久保有政 二〇一三年「聖書と日本フォーラム」
伊勢志摩登茂山研修センターと伊勢修養団青少年研修センターにて


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