2020年御翼9月号その2

         

戦前、アジアという地域はなかった

  日本は神の国だ、とクリスチャンではない日本人が言うことがある。しかし、具体的にどんな神を指しているかは、その神観がはっきりしなければ、自己中心的になる傾向がある。一般に鳥居は、神社に入る前、「神聖」な領域に入るしるしである。私たちは、人類のために血潮を流されたイエス様が両手を広げて、「私は門である」と招いておられるイエス様を思い起こそう。五重塔もイエス様の死と復活への信仰告白の印としよう。
 しかし、日本が、天皇の名において始めた太平洋戦争は、日本によるアジアへの侵略戦争だったと誤認識している限り、クリスチャンが神社に良い印象を持つのは困難であろう。昨日は75回目の終戦記念日であった。これを機に、大東亜戦争の意味を正しく知ろう。以下は、武田邦彦氏の講演からである。
 
 なぜ、日本人は戦死した祖先、父母、祖父祖母のことを悪く言うのか。この前もあるテレビ番組である人が、「侵略だった。日本はアジアを攻めたのだ」と全く事実と違うことを言っていた。それも相当学識の高い人がそういうことを言われるわけです。日本はアジアに侵略戦争したのだとか、第二次世界大戦というのは、ドイツと、日本が連合軍に対して戦ったということは全然違う。ドイツは白人同士でヨーロッパの中で領土争いをしたわけですが、日本は全然違って、時期が同じだっただけで、有色人種、主に黄色人種の解放のために戦ったのではないですか。日独伊三国同盟は、戦争としては何の意味もない同盟であって、むしろ、日本を批判するための道具として使われた同盟だったのではないか。
 日本の戦争は、「人種差別撤廃の戦争」だったわけですよ。日本の戦争は終始そうですね。ロシアとの日露戦争もそう、第一次世界大戦でドイツと戦ったのもそう、その後、ベルサイユ平和会議でも日本は人種差別撤廃条項を主張する。それから大東亜戦争でも戦ったのは白人側に寝返った中華民国以外の国は全部、日本が戦ったのはロシアであり、アメリカであり、イギリスであり、オランダだったわけです。フランスは時期的に国がない時代だったので、ちょっとしか戦わなかったが、そういう状態だった。今度の大東亜戦争でもアメリカに原爆を落とされて、降伏せざるを得なかったのですが、基本的にはイギリスにも勝ち、イギリスの東洋の基地であるシンガポールを陥落させ、オランダが長い間統治していたインドネシアを解放したわけですね。フィリピンもそうです。アメリカに占領されていたフィリピンを、アメリカの陸軍を破ったわけですね。日本が大東亜戦争をした、もっと前からですが、一九四〇年、アジアという地域はなかったのです。それをアメリカがごまかしたわけですね。イギリスもアメリカもオランダもフランスも、皆でごまかしたんですよ。日本と同盟を組んでいたドイツですらごまかしたんですよ。だって、台湾は中国(本当は台湾は日本だったんですけどね)、フィリピンはアメリカ、今のベトナム、ラオス、カンボジアのインドシナはフランス、インドネシアはオランダ、マレーシア、シンガポール、ビルマ、インド、パキスタンは全部イギリスだったわけですから。アジアって、無かったわけですよ。それに対して、日本が戦ったのは全部、白人です。侵略というのは、日本がもしアジアの人と戦ったら、それは侵略でしょうけれども。イギリス軍の中にはインド兵というのがいたんです。それは徴集されたインド兵であって、インド独立戦争をやっていたチャンドラ・ボース、彼は戦後インドの指導者となりますが、チャンドラ・ボースが指揮していたインド軍は、日本軍と連携していたわけです。
 後に硫黄島で戦死した海軍少将は、ルーズベルト大統領に手紙を送って、こう言っている。「あなたたちは他国を占領するために戦争をしている。私たち日本は、明治天皇が日露戦争の前に歌を謳われたように、四方(よも)の国は全部兄弟だと思うのに、なぜ戦争しなければいけないのだ、こういうふうに日本人は考えているのだ。日本人はフィリピンを占領する意図もない。インドシナを占領したり、インドネシアを占領する意志もない。もちろん、アメリカを占領する意志もない。日本人は日本列島の中でやって行こうとしているのだ。それなのに、日本に攻めてくる。それが一つです。それからもう一つは、真珠湾を日本が(先に)攻撃したじゃないか、というがそんなことは史実とは違う。その当時のアメリカ政府は、共産党の国際組織に牛耳られていたわけですね。これはもう皆分かっていることです。そして、偽の情報で日本とアメリカが戦争するように仕向けた。もうアメリカが日本に戦争するのは分かっていたのです。(アメリカは)平和交渉をすべて拒否していたわけですから。それも、日本の要求することが酷いことであったら仕方がないが、そうではなく、(日本は)普通に生かしてくださいよ、と言ったわけです。だから、当時の開戦を決定した御前会議で、言われたことです。「戦争をしなくても滅びる」どうして滅びるかというと、全部輸出入が禁止されて、全部我々が飢え死んじゃうわけですから。だから、戦争しなくても滅びる。戦争をしてもおそらくは負けるだろう。なにしろ、アメリカ、イギリス、オランダ、中国と戦うわけですから、これは負けるであろう。だけども、我々の子孫は、戦わずして滅びるのに比べると、戦って滅びた方が、もう一回、日本が立ち上がる力を持つだろう、と言って戦争に入って行ったわけです。もちろん千年後、歴史家が振り返れば、あらゆる人類の戦争の中で、日本の戦争が最も正しかったということになるでしょうね。どうしてかというと、他の戦争は、全部、自分の国 のために戦っているのですよ。日本だけが、他人のためだけでなく、もちろん日本のためでもあるが、アジアのために戦った。大東亜共栄圏、事実、一九四三年には第一回大東亜会議、つまり有色人種の国際会議を最初に開いたのは日本なんですから。戦争中の軍部ですよ。
 日本は負けたので、あらゆる罵詈(ばり)雑言(ぞうごん)(汚い言葉で、悪口を並べ立ててののしること)を浴びせられたのは確かですよ。例えば、原爆などがありますが、あんな虐殺などというものは、戦争国際法に完全に反するわけですから。日本人が戦犯として絞首刑になった人が沢山いますが、刀で斬ったとか、そういうことを言っているわけですよ。それと広島で10万人、長崎で10万人、戦闘員でも何でもない人をまとめて殺す、一九四五年三月十日の東京大空襲も、女性と子どもしかいないことが分かっていて、焼夷弾で焼き殺したわけですから。アメリカは日本を占領するつもりだった。日本はアメリカを占領するつもりなどさらさらない。それでもアメリカの言うことを信じている日本人がいる、ということは悲しいことですね。そして、イギリスがかつて自分の国を卑下する教科書を作って、若者が働く意欲を失ってしまったイギリス病ですね、と同じように、やっぱりその国の若者は、自分たちの国が尊敬できなければ、ダメなんですよ。戦争で死んだ日本人が立派だったと、世界の人もそう思っている、日本人だけが戦争で死んだ人を何か悪く言う、日本の軍隊を悪く言う、という状態では、日本は発展しませんね。この終戦とか、原爆の記憶が呼び覚まされるこのお盆のときに、お盆で祖先を迎えるときに、立派な祖先を迎えるのだという心を持つ必要がある、というか、事実にそうだったんですからね。それをこのお盆に一回、思い返すということが重要だと思います。

 戦争は最善の手段ではないが、日本が国際社会において、人種差別撤廃のために尽力してきたことは事実である。差別をなくすことはイエス様の性質に沿ったことであり、そんな日本を、戦後の世代は、見直さなければならない。


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