2021年御翼12月号その2

       

自分を知るために最も大切なこと ―― 高見澤潤子

高見澤潤子(クリスチャンの劇作家、「のらくろ」の作家・田河水泡の妻、小林秀雄の妹)は、自分を知るために最も大切なことは、自分を捨て切ることだと、以下のように記している。
 自分を知る、最も大切なことは、自分をすて切ることなのである。ひとのことが気になったり、不安になったり、不満になったり、腹を立てたり、絶望したり、くよくよするのは、みんな自己中心的な気もちからくるのであって、始終こんな状態でいたら、決して自分のことが、わかるはずはないのである。自分を考えずに、ひとのことを思い、自分がひとのために働いて、こうすることができるのは、幸せだなと思う時、本当の自分になる。結局、自分を知ること、自分に与えられているものを知ることは、けんそんな心、ゆたかな心、自分と同じように、人のことを思う心になることである。
高見澤潤子『愛の重さ 新しい女性の生き方』(玉川選書)より

自分を愛せるようになるために―ロバート・シューラー博士
Robert H. Schuller, Self-Loveより
1. 地域社会から尊ばれ、人の地位や身分を築き上げる団体に所属する。
ある男性は、引っ込み思案で劣等感に悩まされていた。彼の友人が、地域社会に奉仕する団体に誘ってくれた。彼はそこでついに自分の居場所を見つけた。常々尊敬していた人たちから受け入れられた。そして、生まれて初めて、自分も人から好かれることができると感じた。今や彼は、社交的で、情熱的で、この団体が主催するチャリティー活動の委員長をしている。
私たちは誰もが、他人と交わる中で自分自身を見出す。人は、尊敬する人たちから受け入れられることなくして、自分自身を愛することはできない。最低限、地域社会での注目すべき団体一つには所属するようにしよう。
但し、所属するだけで何か立派な人になれると誤解してはならない。メンバーになっただけで、自動的に他者から受け入れられるようになると思ってはならない。傲慢であっては、エゴが膨れ上がるだけである。
2.創造性のあるプロジェクトに挑戦する。
創造性(クリエイティヴィティ)は、人の自己評価を高める。落ち込んだとき、ある婦人は美味しいパイを作る。知人の牧師は、庭仕事をすることで霊的に高められるという。ある主婦は、古い家具を再生させる。
但し、何かを達成することで、人は自分自身に価値を見い出せるものではない。最終的に、人の偉大さは、人格や性格を発展させることで決まるのであり、何かを達成することで得られるのではない。
3.重要な人物と知り合いになる。
重要人物と友情を築き上げることで、人の自尊心というものは、格段に向上する。尊敬する人物がいたら、そのことを本人に伝えよう。そして、個人的な知り合いとなろう。メールや電話をしよう。意外と容易に知り合いになれるものである。拒否されることを恐れずにやってみよう。   
但し、その友情を利用しようとするならば、それは相手に伝わってしまい、拒絶されることになる。そして、個人的に知ることのできる最も重要な方はイエス・キリストである。主イエスは、真にあなたに価値を与え、それが感じられるようにしてくださる。もちろん、祈りこそ、主と交わりコミュニケーションする手段である。




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