2021年御翼3月号その3

       

円錐形の頂点――『幸福な結婚』

 『幸福な結婚』という本の中に、異性との付き合い方を説明するため、倒立した円錐が用いられている。一番上の底面が人格(心)の表にあらわれた面であり、断面がだんだん小さくなっていく。そして、下にある頂点に向かって行くことで、人格が奥まっていく深さが表される。上の底面では、多数の友人を入れる余地がある。例えば、小学校から大学での仲のよい友だちなどで、彼らの家庭や個人生活については、互いに何も知らないかもしれない。
 この円錐の頂点に向かえば向かうほど、自分自身の更に深い面に触れることになる。この部分を、私たちはごく少数の人たちとしか共有していない。こういう友人と、私たちは沢山の共通点を持っていて、はるかに多くを受けたり、与えたりするものがある。
 ついに、頂点に達するところではただ一人の人しか入る余地がなくなる。これは独占的な関係で、ここでは、あらゆる事柄が知られ、共有され、お互いに享受されなければならない。
 ここで問題となるのは、肉体的、あるいは情緒的な面を強調して異性を求めると、友情を発展させる機会がなくなることである。結婚に関してだけ、この円錐から分離させると、結婚後も絶えず他の異性への欲情に悩まされることになる。配偶者を人格として愛するようになることが不可欠なのだ。悦楽そのものは悪ではない、悪いのは孤立された悦楽を利己的に求めることである。
 では、どのように異性と接するべきか。今回の御言葉にあるとおり、姉妹を扱うようにすべきなのだ。テモテ 一 5・2に「若い女の人には姉妹に対するように、真に純粋な心で勧めなさい」とある。これは、忠告するときの助言であるが、一般の異性関係にも適応すべきである。結婚前に、真の友情を発展させることは重要なのだ。なぜならば、ベストフレンドと結婚することが幸せにつながるからである。
 教会は、他の人のことを真剣に考え、他人の救いのために生命を投げ出し行動する場でもある。青年会、キャンプ、聖書研究会、教会学校、礼拝などで人の魂の救いの業に従事するとき、自分の性格を磨いて、どんな恋愛遊戯からも得られない、充実した、深い喜び、楽しさがある。その延長上に結婚があれば、幸福は永続するのだ。
W・M・カッパー、H.・M・ウィリアムズ共著『幸福な結婚』(聖書同盟)

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