2022年御翼1月号その1

 

月曜日が待ち遠しい―― ケン・シゲマツ牧師

ケン・シゲマツ『忙しい人を支える賢者の生活リズム』(いのちのことば社)
 仕事は、やらなければいけない不快なものとなりがちですが、私たちが働くとき、神と共に何かを創造しています。「私が植えて、アポロが水を注ぎました。しかし、成長させたのは神です。」(Iコリント3・6)神おひとりでできないことなどありませんが、神は敢えて私たちと共に創造することをお選びになりました。あなたの仕事は特別霊的でないかもしれませんが、それが合法なものである限りは、神と共に何かを造り出しています。
私たちの仕事は、神との関係を育てる場となることができます。私たちが最も霊的に成長できる場所は教会でも、スモールグループでも、十五分間の聖書通読でも、祈りでもありません。最も重要な場所は私たちの職場であり、学校であり、家庭だとダラス・ウィラードは力説します。福音は、あなたの職場を霊的成長のための訓練センターに変えます。短い祈りの時を仕事の中に取り入れることにより、仕事自体が神へのささげ物であり、礼拝であると意識することができます。そのような自覚は、さらに仕事の質にも影響します。修道士のように、私たちは砂漠や洞穴に長い間退いて祈ることができません。しかし、ホテルの部屋やオフィスで、聖霊の導きに耳を傾けるための静かな場所を作り出すことはできます。聖書を通して神のご性質を学ぶと、直感的に何が神を喜ばせ、不快にさせるのかを見分けられるようになります。祈りを日常の習慣の中に取り込むと。神と共に創造する喜びを感じ、仕事を通して神が私たちを変えてくださいます。早期退職を夢見ることもなく、日々神を喜びます。
 大学卒業後、私はソニーで一日十四時間働いていました。給料は多くもらっていましたが、自分の魂が失われていくのを感じました。この傾向に歯止めをかけようと私が行ったことの一つが、通勤時間中の祈りです。眠気と戦いながらも祈りの時を持ち、勤務時間を神にささげました。この朝の祈りのリズムが、私の働く姿勢をゆっくりと変えていきました。給料や出世への興味が減り、会社のためだけでなく神のために慟いていると思えるようになりました。祈りによる変化で、私はそれほど熱心に会社で働かなくなり、主の奉仕にもっと時間を取り、仕事の時間を減らしたと思われる方がいらっしゃるかもしれません。会社での残業時間は確かに減らしましたが、実際には質の高い仕事ができたように思います。「何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心からしなさい」(コロサイ3・23)という使徒パウロのことばを実践するようにしました。
 二年後、私はボストンの神学校に行きました。職場を離れるとき、もしまたソニーで働きたくなったら、いつでも戻って来てくれと部長が言ってくれました。彼はクリスチャンではありませんでしたが、主のために熱心に働くことは会社にとって益だと思ったようです。神の存在を自覚することで、働くことの意味もさらに感じることができました。


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