2022年御翼3月号その1

 

ノーマン・V・ピール『積極的考え方の力』より

 ある実業家は謙虚な人柄だったが、どんな問題や失敗、妨害にあっても、彼は決してくじけなかった。楽観的な態度と成功への確信をもって一つ一つの困難に立ち向かい、やがて不思議なことに、いつもすべての物ごとが彼に幸いするようになっていくのだ。私はある時、彼からその秘訣を聞くことができた。彼の工場のオフィスは、すばらしく超近代的にデザインされていた。ところが机の上に、使い古された聖書が置かれてあるのに気がついた。彼は、聖書を指さしながら答えた。「これは、この工場の中で最も近代的なものです。設備は年とともに古くなり、家具は型を変えていきますが、この本だけは決して時代遅れになりません。実はこの聖書は、私か大学へ行っていた時に、クリスチャンだった母がくれたものです。聖書を読み、その教えを実践するなら、必ず成功した生涯を送れるはずだと言って。しかし、当時の私は母を古風な人だと思っていたので、それを開いたことさえありませんでした。そのうち私は生活をめちゃくちゃにしてしまいました。私の考え方も行いもすべてが間違っていたために、最初から全部うまくいかなかったのです。私はネガティブで怒りっぽく、うぬぼれが強く、強情で、鼻つまみ者でした。みんなが私を嫌ったのも無理はありません。私は確かに『失敗者』だったのです」
 さらに彼は話を続けた。「ある晩、調べものをしていると、ふと聖書に目がとまりました。私は古い記憶がよみがえり、何の当てもなく聖書を読み始めたのです。読み進めていくうちに、一つの文章が目に飛び込んできました。それが私の生涯の転機となったのです。それを読んだ瞬間から、すべてがすっかり変わっていきました」それは、「(1)【主】は私の光 私の救い。だれを私は恐れよう。【主】は私のいのちの砦(とりで)。だれを私は怖がろう。(2)私の肉を食らおうと悪を行う者が私に襲いかかったとき崩れ落ちたのは私に逆らう者私の敵であった。(3)たとえ私に対して陣営が張られても私の心は恐れない。たとえ私に対して戦いが起こってもそれにも私は動じない。」(詩編27編1~3節)です。
 私はそれまで信仰も確信も持っていなかったために失敗してきたのです。私は非常にネガティブで敗北主義的でした。しかしその時、私の考え方はネガティブなものから積極的なものへと転換したのです。私は聖書の原則を忠実に守り、誠実に最善を尽くそうと決意しました。時がたつにつれて、私の敗北主義的な考え方は押し流され、次第に新しい考えに取って代わっていきました」
 考え方を正しくし、神に祈ってその考えをしっかりと持ち、すばらしい結果を心に思い描きなさい。決して臆病な考えを抱いてはならない。ネガティブで敗北主義的な考えが入ってきたら、積極的な考え方でそれを追い出してしまいなさい。「神が私を成功させてくれます」と声に出して確認しなさい。


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