2010年10月24日

 

政治と宗教  内村鑑三全集30より

     昭和2年3月10日『聖書之研究』320号
 政治は宗教の干渉を欲せず、宗教は政治の保護監督を忌む。宗教は政治を離れ、独り自から存在し、発達し、成功する。
 フランクリンが曰(い)うたことがある、「政府の保護あるにあらざれば存在する能(あた)はざる宗教は保存するの必要なき宗教なれば、之を放任して癈滅(はいめつ)に帰せしむるに如(し)かず」(政府が保護しなければ滅んでしまうような宗教は、保護する必要のない宗教である。そんな宗教ならば保護などせずに、消滅させてしまうほうがよい)と。実に明言である。自存性の強き者にして真の宗教の如(ごと)きはない。
 此は保護ありて却(かえつ)て衰へ、迫害せられて却て昌(さか)ふる者である。宗教繁栄の為に計りて、之に政府の保護を加ふるが如き劣策はない。
 宗教が若(も)し政治より要求(もと)むる所があれば、それは自由である、公平である、不義非倫を矯(た)むる以外に全然干渉せざる事である。

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