2011年2月27日

   

武士道と基督教  大正15年  内村鑑三全集22より

武士道は日本国最善の産物である。然(しか)し乍(なが)ら武士道其物に日本国を救ふの能力(ちから)は無い、武士道の台木(だいき)に基督教を接(つ)いだ物、其物は世界最善の産物であつて、之に日本国のみならず全世界を救ふの能力(ちから)がある、今や基督教は欧洲に於て滅びつゝある、而(しか)して物質主義に因(とら)はれたる米国に之を復活するの能力(ちから)が無い、茲(ここ)に於てか神は日本国に其最善を献(けん)じて彼の聖業を扶(たす)くべく要求(もと)め給ひつゝある、日本国の歴史に深い世界的の意義があつた、神は二千年の長きに渉(わた)り世界目下の状態に応ぜんがために日本国に於て武士道を完成し給ひつゝあつたのである、世界は畢竟(つまり)基督教に由て救はるゝのである、然かも武士道の上に接木(つぎき)されたる基督教に由て救はるゝのである。

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