2012年2月12日

本当の話し上手、沈黙上手

    

 社会人対象に行っているパフォーマンス学講座のスピーチの授業では、いつもスピーチを三種類に分けます。

  1. 楽しませたいのか
  2. 知らせたいのか
  3. 説得したいのか

 この三つの目的のどれを自分が選択して話しているのかがわかっていると、相手との話はうまく進んでいき、相手にも感謝されます。 そう考えると私たちの日常でよくある、独身の人を見ると「いつ結婚するんですか?」、結婚した人を見ると「お子さんはまだですか?」、離婚した人には「なぜだったんですか?」アラ還世代(還暦前後の人)を見れば「お孫さんはまだですか?」と聞くワンパターンが、まったく三つの目的のどれにも該当していないということに気づくでしょう。ただ無意識に「よくある質問」を繰り返しているだけです。相手の迷惑も考えずに。 話すときには、まずこの話をすることの目的は何だろうか、と意識するのが本当の話し上手の第一歩です。そのために時には沈黙も必要です。聖書にこんなことばがあります。「軽率に話して人を剣で刺すような者がいる。しかし知恵のある人の舌は人をいやす」(旧約聖書・箴言12章18節) 必要なのが想像力(イマジネーション)です。今、相手は何を悲しみ、何を喜んでいるのか、常日頃はどんな価値観を持っているのか、そんなことへの洞察力が必要です。その上で楽しませたい、知らせたい、説得したいとそれぞれの目的をもって目の前の人を愛情をもって見つめて、何かその人に役立つことを言ってみませんか? そこから人間関係の第一歩が始まります。
    佐藤綾子『聖書に学ぶ 人づきあい力』(マナブックス)より

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