2014年7月27日 望みの錨

フランス生まれの認知症ケア ユマニチュード

 認知症の人が施設に入所したりする場合、その理由が理解できないために混乱することが多く、抵抗して暴れたり治療を拒否することも少なくありません。  
 そんな認知症の人に、効果があると言われるのがユマニチュードというケア技法です(もっとも日本でも、名称はつけなくとも、既にこのようなケアを実践されている人は多くいるでしょう)。ユマニチュード(Humanitude)とは、体育学を専攻するフランス人、Yves Gineste (イブ・ジネスト)によって作り上げられた35年の歴史を持つ、知覚・感情・言語による包括的なコミュニケーションに基づいた認知症のケア技法です。

 ユマニチュードは、見る、話しかける、触れる、立つという4つの方法が柱となっていて、全部で約150もの技術があります。
見る
 認知症の人の正面で、目の高さを同じにして、近い距離から長い時間見つめます。斜めや横から視線を注ぐのではなくまっすぐに見つめ合うことで、お互いの存在を確認することができます。目の高さを同じにすることで、見下ろされているような威圧感を与えず、対等な関係であることを感じてもらいます。近くから見つめると、視野が狭くなりがちな認知症の人を驚かすことなく接することができます。
話しかける
 優しく、前向きな言葉を使って、繰り返し話しかけます。話すときは前向きな言葉で。話しかけて早々に「薬飲みましょう」ではなく、「今日は良く晴れていますね」など、「会話」を楽しんでいる状態を演出します。しかも、できる限り目と目を合わせながら行うようにするといいようです。
触れる
 決して腕を上からつかむような感じではなく、やさしく背中をさすったり、歩くときにそっと手を添えてあげる等、認知症の人が安心できるように工夫します。
立つ
 寝たきりにならないよう、歯磨きや体を拭くような時でも、座ったままではなくできるだけ立ってもらいます。立つことで筋力の低下を少しでも防ぐことができますし、座ったり寝たりしている時よりも視界が広くなって、頭に入る情報量を増やし、脳にも良い刺激があります。

 フランスの病院では、ユマニチュードを導入した結果、薬の使用を減らせたり、職員の負担が減って退職者が減る等の効果も出ているそうです。治療を拒否していた人が素直に治療を受けるようになり、職員に対して言葉を荒げていた人が、「ありがとう」と言うようになったという報告もあるようです。【マタイ7:12「だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」フィリピ2:3「へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え、」】

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