2016年11月13日 望みの錨

 

政治を作るもの

   
 明治31年10月25日『東京独立雑誌』11号 内村鑑三全集6より
 宗教道徳が政治を生みし例はあれども、政治が宗教道徳を生みし例あるなし。恰(あたか)も花は常に実を結べども、実は曾(かつ)て花を開きしことなきが如し。孔子の教訓ありて晋(しん)の穆公(ぼくこう=中国春秋時代の秦の第9代公。秦を大国に押し上げた君主)、唐の太宗(たいそう=唐朝の第2代皇帝)の仁政あり。カービンの神学ありて和蘭(オランダ)起り、ノツクスの説教ありて英国十七世紀の革命ありし。政治に依りて徳教を興さんとする者は葉に依りて幹と根とを作らんと欲する者にして、其事業の逆流的にして失敗に終るべきは理の最も睹易(みやす)きものなり。

政治家の銘  
明治31年1月2日『万朝報』 内村鑑三全集5より
一、 進歩とは権力が下民(かみん)に行き渡る度合を言ふなり。
一、 東洋文明は上(かみ)を崇めしが故に退歩し、西洋文明は下(しも)を崇めしが故に進歩せり、是れ頭寒足熱の理にして亦(また)進歩の大道(たいだう)なり。
一、 政治の目的は善を為すに易しくして悪を為すに難(かた)き社界を作るにあり。
一、 天下を平らかにするに非ず、正道を施(し)くにあり、故に義の為めに争ふも和の為めに譲らず。

[ヨハネの黙示録19:6b「ハレルヤ、/全能者であり、/わたしたちの神である主が王となられた。」]

 

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