2016年6月12日 望みの錨

 

人間の存在

 信頼して保証人になった友人に逃げられ 多額の借金を背負い
 会社も手放し 眠れなくなり 鬱(うつ)も経験し 入退院を繰り返しながら
 何とか和菓子で再起を図ったが 火事に遭い 
 手の指も足の指も自分の皮膚も失くしてしまって
 今はこんな姿になりました。

 世の中から見れば何の価値もない人間です。父親としても 夫としても
 社会人としても何の価値もない 逆に足を引っ張ってるだけの
 お荷物なだけの 人間かのように見えるはずです。
 でも、人間の存在っていうのはそんなもんじゃない。
 そのことを火事を通して経験しました。
 何ができる、何ができないで測れるものじゃない。
 そのことを体験しました。(「私の目にはあなたは高価で尊い」イザヤ書43:4)

 まずは自分が自分の存在をよしとすればいい。
 もしこの存在に意味がないなら なんで命を救われたのか
 なんで自分の意識が戻った時に 泣いて喜ぶひとがいるのか。
 私の存在で安心する家族、友人がいるように
 あなたの存在で安心するひとがいるんです。
 今はいなくてもそのうち出会うんです。
 もしくは見えていなかっただけかもしれない。

 私は何もできないけど 生きてていい。生きてるだけでいい。
 私はやるべきことがある。私しか伝えられないことがある。やり残したことがある。 
 だから堂々と自信を持って 何にもないまま 生きていい。
 そうやって自分に優しくなってあげてください。
 自分の存在を責めることは 愛するひとを深く深く傷つけます。    
  岩崎多恵『地下足袋(じかたび)をハイヒールに履きかえて』(ミリオン・スマイル)より

                                            

バックナンバーはこちら HOME