危機の中で使命を示されたロックフェラー
世界一の慈善事業家ジョン・D・ロックフェラー(1839~1937、享年98)は、幼い頃から母親に、「3つの約束を守る」ことを教えられていたという。それは、
一 十分の一献金を捧げること
二 教会に行ったら、一番前の席に座って、礼拝を捧げること
三 教会に素直に従い、牧師を悲しませないこと
であった。なぜ私たちは十分の一献金をすべきなのか。聖書は8つの理由を示している。
① 神が命じておられるから(レビ27・30)十分の一は主のものである。
② 主イエスが勧めておられるから(マタイ23・23)
③ 神が第一であることを表すから(申命記14・22⁻23)
④ すべてが神から与えられたものであることを教えてくれるから(申命記8・18)
⑤ 神に対する感謝の思いを表すから(詩編116・12)
⑥ 十分の一献金をしないことは神から盗むことだ、と神が言っておられるから(マラキ3・8⁻10)
⑦ 神が生きておられることと、神の具体的な祝福を体験することができるから(マラキ3・10⁻11)
⑧ 神に対する愛を表すから(ヨハネ14・15)
リック・ウォレン『霊的成長をもたらす4つの習慣』より
ロックフェラー一家は、キリスト教バプテスト派への信仰を基本とし、ジョン・ロックフェラーは幼い頃から毎週日曜日に教会へ通って、母親から聖書に基づく教育を多く与えられた。彼は母親から小遣いをもらっても、その10%を献金し、事業を立ち上げ、若くして大富豪となり、石油王とも呼ばれても什一献金を継続し、収入が増える度に献金額も莫大に膨れ上がった。一方、自分自身は倹約に努め、質素な生活をしていたという。彼が築いた資産を現在の貨幣価値で換算した場合、20兆円以上にもなると推定される。そして、収入と献金額を40名の職員を雇ってまで正確に計算させ、記帳していったので、献金額が記録に残っていた。
そんなロックフェラーが石油事業を始めた頃の1863年、最大の危機が訪れる。当時、石油の真価をまだ知らなかったロックフェラーは、鉱山業にも関心を持っており、ある友人が鉱山業を勧める。そこはすでに廃鉱と同じで、いくら掘っても鉱石は出てこない。ロックフェラーに絶体絶命の危機が近づき、自殺まで考えた彼は、荒れ果てた廃鉱にひれ伏して祈った。「神様、私は今まで神様の御言葉を信じてそのまま従ってきました。今まで良心に背くことをしたこともなく、完全な十分の一献金をささげてきました。なのになぜ、私はこのような試練を受けるのですか? 今まで私の至らないところがあったのならお赦しくださり、もっと熱心に働くチャンスを与えてください。どうか、神様が生きておられることを現してください」と。
すると彼は、まるで眠ったように倒れ、不思議な体験をする。夢を見ていたのか、彼は「あなたは行くべき所に、もうすでに着いている。時が来ると実を刈り取るだろう。あなたが今いるこの所をもっと深く掘りなさい」との御声が聞こえてきた。そのことを伝えると、何人かの鉱夫は、最後にもう一度彼を信じてみると言いながら、廃鉱を更に深く掘り始めた。すると間もなく、石炭よりももっと高価な石油が噴水のように湧き出た。ロックフェラーは、自分の使命が石油事業を通して社会に仕えることだと知った。人をだますようなこの世に対抗するには、神から与えられた使命を見出し、使命に生きることが大切なのだ。
イ・チェユン『ロックフェラーが知っていた「もうけ方」』(小牧者出版)より
