矯風会 JWCTU

JWCTUとは世界クリスチャン女性禁酒同盟加盟団体(WCTU)の日本クリスチャン女性禁酒同盟です。

ニュースレター57号P1~2

祈りに始まり祈りに終わった6日間~第40回世界大会報告(P1~P2)

歴史の重み伝えるホテルを会場に
 8月17日夕方、荒川、津田、村松の3人は成田空港を出発してトロント経由で一路オタワへ。時差の関係で、15時間余りのフライトの後着いたオタワは同じ17日の夕方。世界大会の会場でもあり、参加者の宿舎でもあるフェアモント・シャトー・ローリエ・ホテルは国会議事堂の隣に位置する100年余りの歴史を持つオタワ第一のホテルで、古典的で豪華な造りで、家具や調度も重々しい。準備の苦労は? と聞かれたカナダWCTUの方が、「このホテルを取ること」と答えたこともうなずけます。

 18日午後1時から受付。日本の参加者は荒川明子、津田雅子、村松良枝の正 会員3名と、賛助会員の春山顕児さん、特別参加の春山さんの娘さんで米国テキサス在住のアネットさん、そして、後半参加のJWCTU顧問の佐藤順先生を加え、今回は6名です。夕刻の開会式には民族衣装でということで、3人は互いに協力し合って着物を着ました。7時の国旗を掲げての入場行進には22ヵ国が参加。その後遅れての参加もあって最終的には25の国と地域から140名余りの参加となりました。今回の大会テーマソングは日本でもよく歌われる「Seek ye first the Kingdom of God(神の国とその義を…)」。カナダWCTUのジーン・フリーマン会長による歓迎の言葉、オタワ副市長の挨拶、WCTUの詩篇146篇の朗読、マーガレット・オステンスタッド会長の会長演説等が続き、イリヤ・エスケリネン牧師による祝祷をもって1日目は閉会となりました。

 大会は連日、朝8時15分からの祈りと賛美に続いて9時からプログラムが始まり、12時~1時半の昼食と5時半~7時の夕食をはさんで夜9時過ぎまで続きます。2日目(19日)は、午前中サラ前会長(現編集長及び各部の統括リーダー)による「私たちの遺産」と題しての、世界組織の創始者フランシス・ウィラード、カナダWCTU初代会長レティア・ユーマン、世界を回ってWCTUへの参加を呼びかけたメリー・クレメンス・レビットなど、7人の働き人たちのエピソードを交えた紹介がありました。日本も1886年、来日したレビット夫人の講演に応えて矢島楫子ら56名によって東京キリスト教婦人矯風会が設立されたのです(後に日本キリスト教婦人矯風会となる)。サラ前会長は、「自分の国で多くのことを成した人たちのことを学ぶべき。それが種まきであり、将来につながる」と結びました。続く今大会の基調講演は、アラン・ハンディサイズ博士(カナダ)による「FASD―引き裂かれた希望と打ち砕かれた命」と題するものでした。午後はフィンランドとノルウェーの活動報告とヨーロッパ全体の活動報告など、夜には前回大会からの3年間に召された方々の追悼が行われました。

13枚の画像で日本の活動を紹介
 3日目(20日)午前中の印象的な出来事は、国会議事堂前庭で行われる護衛兵の交代セレモニーを見学したことです。黒い大きな毛の帽子、赤い上着に黒いズボンの護衛兵たちの規律ある動作、音楽隊の勇壮な演奏は、まるでドラマの一場面を見るような感じでした。また、議事堂の庭には、カナダ女性の権利の拡大のために闘った5人の女性たちのブロンズ像が設置されており、そのうち2人はカナダWCTUの会員だったそうです。ホテルに戻り、伝道部、家庭保護部、社会奉仕部の活動報告。午後はアフリカ全体の活動報告とケニア、ジンバブエ、コンゴ民主共和国の活動紹介、アジアの活動報告の後、日本、韓国、インド、インドネシア、フィリピンの活動紹介でした。日本は13枚のパワーポイント画像を使ってこの3年間の活動を報告をしました。会長が短く日本語で話し、通訳の津田副会長が英語に訳すという形で、各国7分間という時間通りの報告をしました。夜は、少年部の活動報告、「Know drugs =No drugs」という講義などがありました。夜10時から花火の打ち上げがあり、日本に似た花火をオタワの夜に見物することができました。 

 4日目(21日)は日曜日。午前中は、伝道部の活動報告と講義などが行われました。ジューン・バラード牧師(USA)は「Serving Him」という題で、「すべてのクリスチャンは神に呼ばれている。神を愛し、仕える人生を」と、ローマ12:11「勤勉で怠らず、霊に燃え、主に仕えなさい」を引いて奨励されました。昼には、佐藤順先生が、エルヴィス・プレスリーゆかりの地、グレースランド、メンフィス、テューペロを経てニューヨーク経由で到着。手違いで宿泊は近くのホテルに変わりましたが、そのホテルもなかなか良いとのお話にほっとし、午後の第一バプテスト教会での聖日礼拝をご一緒しました。聖餐式に使われた種なしパンとぶどうジュースとが一体となった容器が珍しく、帰るとホテルの会場入口に「いくつでもどうぞ」とたくさん置いてあったので、村松師はご自分の教会(那須塩原グレースチャーチ)の聖餐式のために会員分を持ち帰られました。夜には「アルコールと若者」という講義の後、青年部の活動報告などが行われました。

大会決議とエルヴィスメドレー
 5日目(22日)は午前中に大会決議が行われました(4ページ参照)。5人の決議文作成者の座長を務めた正子先生の友人でもあるサラ・ウォード前会長はわざわざ、「大会決議は(世界の役員として長年奉仕された)佐藤正子さんの悲願であった。JWCTUの皆さんは日本に帰ったら彼女にぜひ伝えてください」と、壇上から語りかけられました。午後は知日家でもあるジョイ・バトラー第4副会長による「リーダーシップ」という題の講演、韓国WCTUによる、カンボジア、ネパール、バヌアツ、セネガルでの活動紹介がありました。夜は各国の出し物タレントプログラム。酒を飲まず母の信仰を受け継ぎ、ゴスペル歌手を目指したエルヴィスの歌をここで披露するため、佐藤順先生は半年あまり練習を積んでこられたのです。大会参加者の年代もあって、順先生のエルヴィスの歌に会場から手拍子や歓声が沸き起こり、楽しいひとときを届けることができました。「エルヴィスは好きよ~」という声もそこここで聞かれました。「サトウ」という名前が響いた一日でした。

  6日目(23日)午前は、オーストラリア、フィジー、ニュージーランド、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ツバルの活動紹介、太平洋の島々全体の活動報告に続き、デジリー・ラニガン世界幹事による総括演説が行われました。「WCTUは女性たちによる他と違うスタイルを示す団体だ。世界規模で働き、やり遂げている。喜びのある美しい未来のために光を掲げ、息子や娘に引き継ごう。子どもと若者は特に生産的なメンバーになっていく。今回2016年の会議では、過去を学び、大会決議をし、次回2019年までの3年間の見通しをもった。イエスは何の可能性のない屋根からつり下ろされた者に『立って歩きなさい』と言われた。より良い世界をつくるために『絶対禁酒』を伝え、神の前に立ち上がって祈り、許し、人を助け、関わり、与え、共有し、愛を与えよう」という内容でした。午後はカナダWCTUの企画で博物館見学、観光船のクルーズ。夜は22日に行われた選挙で選ばれた新しい執行部と各部のリーダーたちの紹介があり、オステンスタッド会長による閉会宣言をもって6日間の世界大会は終了しました。 

地道な活動に対しオーナーロールを頂く
 この第40回世界大会は、すべての演説と講義が大会テーマ「過去を守り、現在に反映し、未来を形づくる」に沿ったものでした。また、若者が積極的にWCTUの働きに関わり成果を上げている、韓国WCTUやノルウェーWCTUなどの働きが発表されました。「YTC」(少年禁酒軍を意味する言葉)が何度も使われ、日本でも、小学校教師であった守屋東が少年禁酒軍を心血を注いで育て上げたことを思い浮かべました。そして、世界のあちこちで130年あまり変わらず青少年の禁酒教育がなされていることを心強く思いました。 また、大会決議はこれからの私たちの活動の指針となるものです。矯風会JWCTUは地道な活動を積み上げている国に与えられる「オーナーロール(会長表彰)」を頂きましたが、11月23日の全国大会で改めて会員の皆様方と大会決議を確認し、できることから取り組み、さらに活動の活性化を図りたいと強く思っています。

 正味6日間、朝8時15分の祈りと賛美から始まり、夜9時半祝祷をもって終わる大会では、神様の御守りのうちに充実した時間を過ごすことができました。会長演説に加えて、時には司会、時には活動報告、その他多くの役割をこなしたオステンスタッド会長はじめ世界大会の企画運営に携わった多くの方々、心を込めて準備万端整えて迎えてくれたカナダWCTUのメンバーたち、祈りと励ましてくださったJWCTUの皆様に感謝して、世界大会の報告をお届けします。

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