ニュースレター58号P1~2
第8回矯風会JWCTU全国大会特集①(P1~P2)
2016年11月23日(水・勤労感謝の日)
テーマ「過去を守り、現在に反映し、未来を形づくる」
第一部 礼拝メッセージ 牛込キリスト教会 佐藤 順牧師
世界大会でエルヴィス
WCTU(クリスチャン女性禁酒同盟)の2016年世界大会(カナダの首都オタワ)で、2014年に作成したトラクト「エルヴィス・プレスリーの真実」を英語に訳した「The Truth of ELVIS PRESLEY」を配り、タレント・プログラム(各国の出し物の時間)ではエルヴィス・メドレーを日本代表として歌わせていただきました。歌う前に、「母がよろしくと申しておりました」と挨拶したところ、会場から、「愛しているとお伝えください」と声が上がりました。今朝母をホームに迎えに行ったとき、スタッフに「今日は何ですか?」と聞かれたので、「禁酒同盟の2年に1度の全国大会です」と答えました。すると、少し前、演歌のような歌が流れていたら、母が「酒飲みの歌は嫌いです」と言ったことを、そのスタッフの方が教えてくれました。
エルヴィスは、ロックンロールよりもゴスペルが大好きだった人で、酒も飲まなかったことから、矯風会JWCTUのアイドルとなっています。エルヴィスを知る人は数えきれないほど多く、「エルヴィスは酒を飲まなかったのですよ」ということから福音の話につなげることができるのです。タレント・プログラムの会場も、オステンスタッド会長はじめ多くの方々が歌に合わせて体を揺すり、手拍子をして大盛り上がりでした。
「平和」を盛り込んだ決議がなされたときには、提案者のサラ・ウォード前会長が、「これは佐藤正子さんが長年主張してきたことです」と、特に紹介してくれました。禁酒同盟の働きは孫の代まで浸透させていくべきものです。将来的には世界大会の日程を短くし、夜は自由時間にすると、参加者も増え、さらに活動も広がっていくのではないだろうかと思っています。
体、心、魂のすべてに害を与えるアルコール
NHKラジオで8月16日のエルヴィスの召天記念日に放送していたエルヴィス特集の中で、「ラブ・ミー・テンダー」をバックに、「彼は酒を一滴も飲まなかった」というアナウンサーの声が流れました。また、オタワに行く前に立ち寄った、エルヴィスの記念館であるグレースランドに展示されている自家用飛行機リサ・マリー(娘の名)号の中のビデオでも、「One fact, about Elvis you might not know: he didn't much care for the taste of alcohol.(エルヴィスはあまり知られていないことですが、酒を飲まなかったのですよ)」と、わざわざアナウンスしていました。母のグラディスが厳しくしつけたこともあり、彼は聖霊に満たされていたかったのでしょう。「酒に酔いしれてはなりません。それは身を持ち崩すもとです。むしろ、霊に満たされ、詩編と賛歌と霊的な歌によって語り合い、主に向かって心からほめ歌いなさい」(エフェソ5:18,19)
聖霊には3つの働きがあります。1)人に罪を認めさせ、2)イエスが救い主であることを分からせ、3)人生を具体的に導いてくださいます。酒を飲んでいたら、自分の罪が分からず、イエスが救い主であることも分からなくなってしまい、神の導きも得られません。 エルヴィスはコンサートが終わると、部屋に楽団の人を招待して一晩中ゴスペルを歌っていました。聖霊に満たされることを知っていたからです。しかしながら、世間はロックンロールを歌う彼を激しく非難しました。毎週フェリス女学院大学で行われている「プレスリーとキリスト教」という公開講座で、エルヴィスがなぜ非難されなければならなかったのか、原因の一つを学びました。
エルヴィスは、白人のカントリーミュージックと奴隷である黒人のブルースを融合させてロックンロールを完成させました。すると白人の労働者たちは、カントリーミュージックに奴隷の音楽を持ち込んだと彼を糾弾したのです。バプテスト派の牧師に攻撃されたことが特にショックだったそうです。非難の原因の一つは、信仰上のことではなく、人種差別にあったのでした。
増える女性のアルコール依存症
アルコールに依存する女性が増えています。テレビ番組からの情報によると、あるクリニックにアルコール依存で受診する人の4割は女性だということです。女性の飲酒の機会が多くなり、飲酒量も増えたからです。女性は脂肪が多くアルコールの害を受けやすいのです。20代から飲み始めた男性が40~50代で依存症になるところ、女性は飲み始めてわずか5年で依存症になったり、ストレスから突然依存症を発症したりします。アルコールの悪影響について、テレビからの情報を続けて紹介します。酒を飲むと楽しい気分になるのは、快楽を生み出すドーパミンが分泌されるからです。そして、徐々に量を必要とするようになり、飲酒量が増えてきます。アルコールの悪影響はまず理性を司る前頭葉に表れ、大見得を切ったり感情的になったりします。次に体の働きを司る小脳に影響が出て、うまく歩けなくなったりろれつが回らなくなったりするようになります。記憶を司る海馬にまで及ぶと、記憶ができなくなり気を失うこともあります。いわゆるブラックアウトです。記憶を失うのではなく、記憶できなくなるのです。さらに飲み続けると、呼吸中枢がマヒして最悪の場合は死に至ります。
アルコールによって仕事も家族も失ったMさんは、断酒会に参加し30年間断酒しています。Mさんは、酒がなくても生きていける、酒よりも大事なものがあると語ります。2013年には「アルコール健康障害対策基本法」という新しい法案が成立し、ようやく酒の問題で悩む人の相談や治療の体制が整備されつつあります。
このような時代にあって、矯風会JWCTUの活動は益々重要です。入会したある女性は、「飲まない」選択肢があることはそれまで考えられなかったと話していました。まだまだ日本では飲まないことは難しいことです。酒よりも良いものがあることをぜひ知ってほしいものです。
聖霊の導きの楽しさ
酒を飲まないと何がよいのでしょうか。魂の働きは、①愛すること、②思いつくこと、③ひらめくこと、④夢をみること、⑤良心の働きをすること、です。魂が聖霊を受けるのは、主イエスの十字架により、自分の罪が贖われると信じたときです。酒を飲み、どんどん自己中心になり、神様のことを忘れるところに聖霊は入ってきません。「わたしは、高く、聖なる所に住み/打ち砕かれて、へりくだる霊の人と共にあり/へりくだる霊の人に命を得させ/打ち砕かれた心の人に命を得させる」(イザヤ書57:15) へりくだった心をもてば、魂に聖霊が降りてくるのです。山室軍平は、禁酒のためには、酒の害を普段から意識し、聖霊によって満たされ、導かれる楽しさを知ることが秘訣であると言います。酒を飲まないと楽しいのは、神様と人のことを考えているとこんなお導きがあるのだなぁと、分かるからです。
「エルヴィスのトラクトを書いてください」と、矯風会JWCTU会長である牧師の荒川先生が言われたのは、2年前の夏休み前の婦人の会のときでした。その朝までは全く考えていなかった「思いつき」だったそうです。トラクトが作られたことが『エルヴィスの真実』の出版につながり、実を結んだことで、単なる思いつきではなく、聖霊によって与えられたすばらしい夢・発想であったことがわかります。
エルヴィスのトラクトを執筆したことから、エルヴィスを歌い、信仰者エルヴィスを仲間が綴った本が米国で出版されていることをいのちのことば社に紹介することができ、日本語に訳された『エルヴィスの真実』が出版されたのです。エルヴィスの信仰を理解し、伝えることを通して福音を語る先駆者となることができたのは、聖霊のお導きがあったからにほかなりません。酒を飲んでいたら到底できないことです。 聖霊を追い出す酒を一滴も飲まない人(魂)を育て、聖霊の導きが与えられる、生き生きとした信仰生活を送りましょう。
(まとめ 荒川明子)